【トリマー監修】夏のトラブルを解決!夏場に注意したい犬の皮膚・被毛トラブルについて
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【トリマー監修】夏のトラブルを解決!夏場に注意したい犬の皮膚・被毛トラブルについて

夏場は、飼い主だけではなくワンちゃんも皮膚トラブルが起こりやすい時期。被毛があるワンちゃんは、人以上にケアが欠かせません。
そんな夏でもトラブルなく過ごせるよう、今回はプロのトリマーさん監修のもと、夏の皮膚・被毛ケア・予防について教えていただきました。

今回教えてくださったトリマーさんは、以前INUMAGで「自宅でできるブラッシング講座」のレクチャーをしていただいた『THE DAYS _ GroomingTruck』の中山 亜沙美(ナカヤマ アサミ)さん。実際によくある皮膚トラブルや被毛のケア方法などを中心に、夏に特に起こりうる被毛・皮膚トラブルについて解説していきますので、愛犬の健康のためにも対策方法を学んでいきましょう!

犬にとって夏は皮膚・皮毛トラブルが起きやすい時期

高温多湿な日本の夏場は皮膚のバリア機能が低下しやすく、皮膚トラブルが起きやすい時期です。犬の皮膚は人に比べてかなりデリケートで、マラセチアや脂漏症、膿皮症などの病気にかかってしまうこともあります。さらに、被毛もたくさん生えているため、人ではあまり起こらないようなさまざまなトラブルも引き起こしてしまう場合もあるのです。

夏によくある犬の皮膚・被毛トラブル

夏の時期、犬にとってどんな皮膚・被毛トラブルが起きやすいのか、中山さんにお聞きしました。

蒸れによるトラブル

夏場は蒸れやすいため、蒸れによるトラブルが起こりやすいです。皮膚が蒸れることにより、マラセチアの増殖や脂漏症が悪化することも考えられます。特に、顔にたるみがあるフレンチブルドッグやペキニーズのような犬種や、太っているワンちゃんはたるんでいる部分が蒸れやすいので注意が必要。

また、耳も蒸れによるトラブルが起こりやすい部分のひとつ。耳のトラブルというとフレンチブルドッグがよく起こりやすいですが、夏場は特に垂れ耳の犬種がトラブルを起こしやすいです。垂れ耳の犬種は、耳が垂れている部分の通気性が悪いため耳が蒸れやすく、立ち耳の犬種と比べて耳の蒸れによるトラブルが起こりやすくなります。

乾燥によるトラブル

夏は意外と皮膚が乾燥しやすい時期なので、乾燥によるトラブルにも注意が必要です。犬の皮膚が乾燥すると、カサカサになるだけではなくフケも発生しやすくなります。中山さんは「フケはサインの入り口!」と言っており、皮膚が悲鳴を上げているからフケが出るのだと考えているそう。

愛犬のサインを見逃さないで!皮膚・皮毛トラブルのサイン

言葉を発せない犬にとって、病気やトラブルなどは実際に目に見える症状が出てきてからでは遅いこと。症状がひどくなる前に、ちょっとしたサインなどを見逃さないよう愛犬を日頃からよく観察しましょう。

愛犬のニオイ

「ニオイは何かしらのサイン!」と中山さん。愛犬からいつもと違うニオイがするときは、皮膚に異常があるかもしれません。特に、耳や背中などの部位からニオイを感じたら要注意。皮膚トラブルを防ぐためにも、中山さんは飼い主の方々に「愛犬のニオイを敏感に感じてほしい」そうです。

耳をかく頻度が多くなる

トラブルが何もないように見えても、実はトラブルの前兆が隠れている場合があります。たとえば、耳をかく頻度が多くなり、普段より湿っているなんてことがあるかもしれません。この時点ではまだ皮膚に問題はないかもしれませんが、放置しておくことでトラブルに繋がる可能性も。

大きなトラブルになる前に、しっかりと適切な対処をするようにしましょう。もし、このようなケースが起こった場合は、お湯で濡らしたタオルで拭いてしっかりと乾かしてあげるようにしてください。

「特にトラブルがない子でも要注意!引き続き普段から清潔に保つことが大事!」と中山さんは注意を促しています。

もし愛犬にすでに症状があったら?症状がある場合の対処法

どんなに注意深く対策をしていても、皮膚・被毛トラブルが起こってしまう可能性はあります。もし、愛犬に何か症状が出ている場合は、病院へ行くようにしてください。

皮膚が赤くぶつぶつができていたり、ぐちゃぐちゃになっていたりとひと目で症状が分かる場合や、痒がっていたり痛みを感じているような表情をしたりと、愛犬が何かしらの行動に移す場合もあります。日々の愛犬の様子を見逃さないようにしてくださいね。

夏場は特に注意したい!愛犬の皮膚・被毛のケアについて

普段の、愛犬の皮膚・被毛ケアに比べて夏場は特に注意していきたい点について、中山さんに教えていただきました。

シャンプーは月に一度が基本

シャンプーの頻度は、オールシーズン”月に一度” を基本として行いましょう。もっとこまめにシャンプーをしたい場合は、3週間〜4週間に一度くらいの目安で行ってください。なお、さまざまな犬用シャンプーがありますが、低刺激タイプは特に皮膚に優しいのでおすすめです。

✔︎ 犬のシャンプーについてはこちらの記事をご覧ください。 → 『”幼犬から皮膚の弱い子までどんな犬にも使える”ドッグシャンプーとは

もし、夏場でニオイが気になったり、月に一度だけだと清潔に保てているのか不安だったりする場合は、シャンプーを使用せずにお湯だけで洗うのがいいでしょう。ただ、洗いすぎてしまうと必要な皮脂まで洗い流してしまい、皮膚トラブルの原因になってしまう可能性もあります。清潔な状態を保つことは大事ですが、洗いすぎにも気をつけてください。

ブラッシングは毎日行うように

基本的にブラッシングは毎日行うのが理想。特にシャンプーの後に毛をとかさないで放置してしまうと絡まりやすくなってしまうので、念入りにブラッシングを行なってください。もし、ブラシを使うのが難しいなら手ぐしでも構いませんが、しっかりとかすようにしましょう。

✔︎ 犬のブラッシングについてはこちらの記事をご覧ください。 → 『犬にブラッシングは必要?効果や頻度は?ブラシの選び方も紹介

ただ、スリッカーのように尖っているタイプのブラッシング用品を使用した際に皮膚を傷つけてしまう場合もあります。さらに、それを何度も行うと皮膚トラブルにつながる可能性も。中山さんいわく、「スリッカーを使用するのが難しい場合は、コームでとかすのもおすすめ」だそうです。

✔︎ 犬のスリッカーについてはこちらの記事をご覧ください。 → 『犬用スリッカーブラシで毎日のケアを おすすめのブラシ5選

余分なアンダーコートを取り除く

被毛で特に注意したいのが、余分なアンダーコートが付いたままになっている場合。

✔︎ 犬の被毛についてはこちらの記事をご覧ください。 → 『犬の「毛」について学ぼう!被毛の種類や換毛期のお手入れ方法

フレンチブルドッグやポメラニアンのように、ダブルコートでアンダーコートが多い犬種は、内側のアンダーコートをしっかり取り除かないと皮膚に近い毛が密になってしまい、夏場の蒸れに繋がります。さらに、抜け毛やカサブタなどの原因になることも。

自宅でも、ブラッシングをすれば余分なアンダーコートを除去できます。犬の被毛について理解し、アンダーコートがあることを忘れないようにしてください。

✔︎ 犬のブラッシングについてはこちらの記事をご覧ください。 → 『現役トリマー直伝、自宅でできる犬のブラッシング講座【前編】』『現役トリマー直伝、自宅でできる犬のブラッシング講座【後編】

紫外線対策にはUVカットグッズを

人間同様、犬にとっても紫外線は皮膚トラブルの原因になります。紫外線対策をすれば、皮膚トラブルを防げるほか、被毛のキューティクルを守ることもできるので、愛犬の紫外線対策も忘れずにしましょう。

犬用のUVカットグッズは、UVスプレーやUVカットウェア、ペット用の日傘などさまざまあります。用途に合わせた使い方ができるので、お散歩やお出かけの際に忘れずに使用してください。夏場は海や川で遊ぶこともあると思うので、紫外線対策を施した犬用ラッシュガードもおすすめです。

なお、愛犬が夏場でも涼しく過ごせるようにとサマーカットにしている場合は、紫外線を皮膚にもろに受けてしまうため、特に紫外線対策の必要があります。

✔︎ 犬用UVスプレーについてはこちらの記事をご覧ください。 → 『犬のUVケア!紫外線対策におすすめのUVスプレー6選

愛犬と海に行く場合

夏場は愛犬と一緒に海水浴をする方もいるかもしれません。しかし、愛犬に付いた海の潮を取るのはとても大変です。潮の影響で被毛がかなりゴアゴアになり、落としきるには普段よりシャンプーの回数を増やし、念入りに洗い流す必要があります。潮汚れがしつこい場合は、シャンプーだけでは落ちきらず、愛犬を入浴をさせなければいけないケースも。

愛犬との海水浴は夏にぴったりな思い出づくりになりますが、遊んだ後のお手入れもしっかりとできるように準備をしてから海に入るようにしてくださいね。

なお、海に入らずに砂浜でお散歩や遊んだときも、お手入れには注意が必要です。海辺の砂にも潮が付いているので、海に入ったときと同様にしっかり洗い、ブラッシングで砂を落とさなければいけません。もし、これを怠ってしまうと、毛がもつれてしまい毛玉の原因になることも。海水浴をしていなくても、愛犬と海に行った後はお手入れをしましょう。

犬の皮膚・被毛ケアのポイント

シャンプーやドライ、ブラッシングなど、愛犬のお手入れをする際のポイントについても中山さんに教えていただきました。

すすぎ残しに要注意!

犬のシャンプーはとても大変な作業ですが、すすぎ残しがあると、フケや皮膚トラブルの原因になりやすいので注意が必要です。

コンディショナーやトリートメントをつけたから軽く流す程度にしておきたいと思う飼い主もいるかもしれませんが、中山さんは「洗い流すのを甘くしないで!」と注意しています。ぬめりがなくなっていることを確認し、しっかりと洗い流すようにしてください。愛犬を洗うときは、自分の髪を洗い流すとき以上によく洗い流すことを心がけましょう。

また、その後にはしっかり保湿をするようにしてください。汚れをしっかりと落とした後は、どうしても油分も取れてしまい乾燥にも繋がるので、夏場でも保湿は大切です。

根元を乾かすのが大事!

犬の被毛の量はとても多いので、シャンプー後や水遊びをした後に乾かすのは大変です。しかし、乾かしが甘いと、すすぎ残しのときと同様にフケや皮膚トラブルにつながる可能性があります。ドライヤーの風、クシや指を使って根元から乾かすようにしてください。

また、中山さんは「夏だからすぐ乾くでしょはダメ!」と強調しています。夏場に川やプールで遊んだあとは、暑いからすぐに乾くと思ってしまうかもしれませんが、犬の毛は人の髪のように簡単に乾きません。シャンプーの際だけではなく、水遊びをした際もしっかりとドライヤーで乾かすようにしましょう。

日頃からチェックを行うように

「毛玉ゼロを維持しよう!」と中山さん。毛玉ゼロのスッキリとしたきれいな状態を維持できれば、皮膚・被毛トラブルに見舞われる可能性がぐっと減るでしょう。プロにトリミングをお願いしたあとの状態が理想の状態といえるので、トリミング翌日からコームでチェックしていくことをイメージしていけば、毛玉ゼロを維持することも可能です。毎日とかす時間がないようであれば、毛玉がないか毎日チェックするだけでもいいそうなので、忙しい人でもためせるはず。

毛のもつれや毛玉があると蒸れにつながるので、夏場は特に毛玉ゼロを維持できるように心がけてください。

愛犬の”肉球ケア”も忘れずに

皮膚のケアをする際に忘れがちな部分が肉球です。肉球が暑いと、乾燥したり硬くなったりするので、傷付きやすくなってしまいます。中には、肉球がもともと弱い子もいるので、欠かさずにケアをしましょう。

特に、夏場は肉球への配慮が必要です。外に出かけると地面が熱くなっていることがよくあるので、歩く前に飼い主が直接地面をさわって温度チェックをし、暑いコンクリートや砂場を歩かせないようにしてください。お散歩なら、時間帯を早朝や夜に行えば地面があまり熱くなっておらず、気温も日中に比べると涼しいのでおすすめです。

✔︎ 夏のお散歩についてはこちらの記事をご覧ください。 → 『高温アスファルトに気をつけて!犬のお散歩、夏の注意点と暑さ対策

犬の”肉球のケア”!どんな方法があるの?

肉球がひび割れたりカサカサしたりしないように、保湿をすることが大事です。肉球用のケアグッズはクリームやオイル、バームなどさまざまな種類があるので、愛犬にあったケアグッズを肉球に塗って保湿をしましょう。

ケアをする際に気をつけることは、お散歩の前後に塗り忘れないようにすること。お散歩後に肉球用クリームを塗る人は多いと思いますが、お散歩前は肉球用クリームを塗っていないという人もいるのではないでしょうか。中山さん曰く「肉球用クリームを塗ってからお散歩に行った方がコーティングされるので肉球にいい」のだそう。お散歩に出かける前に、肉球のケアも忘れないでくださいね。

また、お散歩後に塗る場合は、足や身体を拭いたり洗ったりして全身のケアが整った後に塗ってください。肉球が乾ききった状態で塗らないと、肉球クリームの効き目が得られない場合があります。特に指の間は乾かし方が甘くなりやすく、乾ききっていないと蒸れて被毛トラブルにもなりかねないので念入りに乾かすようにしてください。

✔︎ 肉球クリームついてはこちらの記事をご覧ください。 → 『犬の肉球・足裏のケアにおすすめ”肉球クリーム”7選!愛犬の大事な肉球をしっかり守ろう!

さいごに

今回は現役のトリマーさん監修のもと、夏場の犬の皮膚・被毛トラブル、ケアや予防などを学んでいきました。

毎日のお手入れやシャンプーは大変ですが、愛犬の健康のためには欠かせない作業です。お手入れをすることで愛犬にトラブルが起こらないようにするだけではなく、コミュニケーションの一環にもなります。愛犬とふれあいつつ、身体に異常はないか確認をして、夏場も健康な毎日が維持できるようになるといいですね。

  • Writer:hikaru hamazaki
中山 亜沙美(ナカヤマ アサミ)

中山 亜沙美(ナカヤマ アサミ)

神奈川県・湘南地区を中心としたトリミングサロン『THE DAYS _ GroomingTruck』の代表、トリマー。わざわざ来ていただくのではなく、”トリミングカー”でご自宅にお伺いする移動式スタイルのサロン。移動や他のワンちゃんとの接触などを気にせず預けることができ、お客様・ワンちゃんに負担をかけないグルーミングをコンセプトとしたサロンを経営。

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