現役トリマー直伝、自宅でできる犬のブラッシング講座【前編】
学び

現役トリマー直伝、自宅でできる犬のブラッシング講座【前編】

愛犬と一緒に暮らす中で必要となる自宅ケアのひとつ「ブラッシング」。必要なケアだけど、正しいやり方が分からないまま、何となく自己流でやっている人も多いのではないでしょうか?今回、INUMAGではプロのトリマーさんをお呼びして、正しいブラッシング方法について教えていただきました。レクチャーしてくださるのは、『THE DAYS _ GroomingTruck』のトリマー中山亜沙美(ナカヤマアサミ)さん。中山さんの愛犬ビジョンフリーゼのあゆちゃんをモデルに、ブラッシング初心者にも分かりやすいように、ブラシの持ち方や角度、力の入れ方、ブラシの使い方など写真付きで解説していきます。この機会に、正しいブラッシング方法を学んでいきましょう!

現役トリマー『THE DAYS _ GroomingTruck』の中山さんと愛犬のあゆちゃん

ブラッシングってどうして必要なの?

犬のブラッシングは、毛を美しく保つのに必要なだけだと思っていませんか?

もちろん、ブラッシングを行うことで毛づやを出したり、表面についた汚れを落とし、抜け毛を除去したりすることもできますがそれだけではないんです。

「正しくブラッシングをしてあげることは、犬の血行をよくしてマッサージ効果もあるんですよ」と中山さん。また毎日ブラッシングをすることで、愛犬の皮膚の様子をチェックすることもできます。見た目も美しく、皮膚の健康を守りながら、更にマッサージ効果で犬も気持ちよくなれる一石三鳥にも四鳥にもなるケアなのです。

ブラッシングをしないとどうなるか、被毛のケアについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。→ 『犬にブラッシングは必要?効果や頻度は?ブラシの選び方も紹介

ブラッシングの頻度は?

基本は一日1回程度でOK!
嫌がらなければ、お散歩から帰ってきた後など汚れが気になるときや、スキンシップを取りたいときなどにもブラッシングは効果的です。

犬種によって異なるブラシ&ブラッシング方法

犬の被毛は、春秋ごとに夏毛と冬毛が生え変わる「ダブルコート(ビジョンフリーゼ・ダックスフント・ゴールデンレトリバー・チワワなど)」と、抜け毛は少ないけど伸び続ける「シングルコート(トイプードル・マルチーズ・ヨークシャテリアなど)」の二種類に分けられます。

それぞれ、毛のタイプが異なるため使用するブラッシングのブラシも異なります。ダブルコートの犬種のブラッシングに多く用いられるのは、獣毛ブラシ。毛並みに沿ってブラッシングすることで、抜け毛の除去や毛のつや出しにも効果があります。

シングルコートの犬のブラッシングに主に用いられるのは、伸びてもつれがちな毛をほぐすために使用するスリッカーブラシです。

また、ダブルコートとシングルコートにはそれぞれ長毛種と短毛種があり、使用するブラシの種類は長毛種・短毛種によって異なります。

短毛種の場合は、主に獣毛ブラシを使用。毛並みに沿ってブラッシングすることで、抜け毛の除去や毛のつや出しにも効果があります。

伸びて毛がもつれ、細く柔らかい毛が絡まる長毛種には、主にスリッカーブラシを使用。針金がついたような見た目のブラシは、一見痛そうに感じますが正しく使えば痛みもなく、犬の被毛を優しく解きほぐすことができます。

犬種によって異なる被毛の種類など詳しくはこちらの記事をご覧ください。→ 『犬の「毛」について学ぼう!被毛の種類や換毛期のお手入れ方法

ブラッシングに必要なものを用意しよう

今回モデルをしてくれるのはダブルコートのビジョンフリーゼのあゆちゃん。
必要なブラシはピンブラシ、スリッカーブラシ、コームの3種類です。

ピンブラシ

毛量の多い犬の毛を立たせたり簡単なブラッシングを行うときに使用します。お散歩帰りなどについた汚れをササッと落としたいときや日常的なお手入れにもおすすめです。

スリッカーブラシ

長毛種の被毛をほぐし、ブラッシングすることで被毛がフワフワになりボリュームを出すことができます。また、できてしまった毛玉ほぐしにもぴったり。

スリッカーブラシには、ソフトな物からかなりハードな物までありますが、針金部分が柔らかい物を推奨します。

コーム

コームにはこのように左右で細目・粗目に分かれているコームがあります。このタイプは、細目は顔回りの毛を整えるとき、粗目はもつれができていないか確認するときなど、用途によって使い分けられるので一本あるととても便利。ブラッシングの最後の仕上げにも効果的です。

上記以外にも、ブラッシングの時間が楽しくなるようにご褒美用のおやつも用意してください。犬にとってストレスになりがちなブラッシングなのでがんばったワンちゃんのために、ぜひいつもと違うスペシャルなおやつを用意してあげてくださいね。
必要に応じて、ブラッシングスプレーも用意しましょう。

おすすめのスリッカーブラシについてはこちらの記事をご覧ください。 → 『犬用スリッカーブラシで毎日のケアを おすすめのブラシ5選

ブラッシングを始める前の注意点

ブラシの当てる力加減はどれぐらい?

スリッカーブラシは先がとがっているので、犬の皮膚にブラシの先を当てると負担がかかります。ブラッシングの前に、実際に自分の腕に当ててみて、どれぐらいの刺激があるのか実感してみましょう。基本は、ブラシで毛を絡めてほぐすように使用します。皮膚に当てないように気を付けましょう。

スリッカーブラシは皮膚に当たると痛いので、角度や力加減に注意して!

ブラッシングの基本姿勢

ブラッシングの基本姿勢は、抱っこが好きな犬には膝の上で、苦手な犬は床の上で座った状態など犬が落ち着く姿勢なら大丈夫です。ワンちゃんの個性にあわせて負担にならない姿勢で行いましょう。

もし、ブラッシングを嫌がって逃げる子には、動きが制限されるトリミング台のようなテーブルの上で行うのもよいでしょう。その際は、テーブルからの落下には十分お気を付けください。

また、空間の狭いバスルームや洗面所もおすすめです。

① 膝の上でブラッシングする場合

椅子に座って、抱っこ。頭に手を添え固定すると犬も安心します。

②床の上でのブラッシングする場合

抱っこを嫌がる子には、横に座ってなでるような感覚で。警戒心を与えないようにしましょう

ブラッシングを嫌がったら?

嫌がっているのに無理やりブラッシングするとトラウマになってしまう可能性も。最初のうちは、犬がブラシを見れたらそれだけで褒めたり、ひと撫でできたら褒めたりしながら、徐々にレベルアップしていきましょう。途中途中で、しっかりと褒めることで犬もモチベーションがアップしますよ。

犬のテンションが上がるようなスペシャルなご褒美(おやつ)を用意して、おやつを与えながらブラッシングしていくことで、楽しく気持ちいいことだという記憶が残るように心がけましょう。

においのするスペシャルなご褒美を。
少し離れた場所において気をそらせるのも効果的です。

もし、ピンブラシやスリッカーブラシのハードルが高いようなら、まずは刺激がない獣毛ブラシからスタートしてブラシに慣らすのも◎。ブラシが嫌なものでないことをゆっくり教えていきましょう。

ブラッシングを始めよう

ブラッシングスプレーで活用しよう

それでは、ブラッシングスタート!

ブラッシング前に、ブラッシングスプレーをつけるとブラシの通りが良くなります。静電気の予防や、皮膚の保護にもつながるので、好みのものを見つけて試してみてくださいね。

被毛が湿るぐらいの量をスプレーしていきます。

ピンブラシで軽く全体をブラッシング

ピンブラシを使って体全体を軽くブラッシング。全身の被毛を軽くとかす感じで、愛犬とコミュニケーションを取りながら、マッサージするような感覚でブラッシングしてみましょう。

あゆちゃんもうっとり。気持ち良さそうです。

ブラッシングになれていないワンちゃんや、ちょっとしたもつれを取ったり、汚れを落とす程度のお手入れにはこのピンブラシがぴったり。毎日の習慣にしたいですね。

後編では、少し上級編のスリッカーブラシを使ったブラッシングの解説していきます。

さいごに

今回は、現役のトリマーさんをお呼びしてブラッシングの必要性や頻度、基本姿勢などをレクチャーしていただきました。正しいブラッシングをすることで、皮膚の状態のチェックができたり、毛玉の予防、さらにはマッサージ効果でワンちゃんにとってもリラックスタイムになったりと、ブラッシングは愛犬にとってメリットばかり。ぜひ、毎日のケアに取り入れていきたいですね。

後編では、長毛種の被毛をほぐし、フワフワにボリュームを出すことができるスリッカーブラシを使ったブラッシングをご紹介していきます。

  • Writer:おおくぼ あい
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