フランスのカフェやレストラン、犬たちの過ごし方【ボンジュール!フランス犬だより】

フランスのカフェやレストラン、犬たちの過ごし方【ボンジュール!フランス犬だより】

  • コラム

INUMAG読者のみなさん、こんにちは。フランス在住INUMAGライターのMarikoです!フランス犬事情についてお伝えするコラム、「ボンジュール!フランス犬だより」。第5回目の今回は、フランスでのレストランやカフェなどの犬の同伴についてお伝えします。

日本では、ドッグカフェなど「犬の同伴を特別に許可された飲食店」が数多く存在しますよね。ドッグメニューやワンちゃん向けのサービスも充実したドッグカフェですが、愛犬国として知られるここフランスでは、実はこうしたお店はほとんど見かけません。というのも、どのような飲食店も、基本的には犬の入店が許されているからです。本文で詳しくご紹介していきます!

レストランやカフェ、犬の同伴は基本的にどこでもOK

フランスでは、レストランやカフェなど、基本的にはどのような飲食店でも犬を連れての入店が可能です。飲食店ばかりか、デパートやブティックなども犬の同伴が許されている場合がほとんどです。犬を連れて入店する場合、お店のスタッフにひとこと尋ねるのが礼儀ではありますが、犬の同伴を理由に入店を断られるということはほとんどないと聞きます。

ただ、だからといって「なんでもOK」というわけではもちろんありません。入店するワンちゃんは、しつけがされているというのが基本条件。吠えるなどしつけがなっていない犬は入店を断られることもあります。また、人が座る座席に犬を上げることはNGです。あくまで「人は人、犬は犬」。飲食店であれば、犬たちは飼い主が食事をする足元で静かに待つ…というのが、犬同伴で入店する際の暗黙条件なのです。

しかし、もともとフランスの人々は犬や動物が大好き。日本のドッグカフェのようにワンちゃん用のフードメニューがあるという店は稀ですが、夏に近づき暑くなってくると、頼まずとも犬用のお水を出してくれることも。ワンちゃんをきっかけに店員さんやお客さん同士で会話が生まれたりと、犬の存在を自然と受け入れてくれる雰囲気が漂っています。

フランスに「ドッグカフェ」は存在しない?

どんな飲食店でも基本的には犬同伴で入ることができるため、特別に「ペット連れOK」と謳う日本のドッグカフェのような店は、私はこちらでは見たことがありません。

それはホテルなどの宿泊施設も同様です。事前に宿に確認する必要はありますが、普通のホテルなどでも犬を受け入れてくれる場所も多いため、飲食店と同じく「特別に犬と宿泊できるサービスを謳うホテル」は一般的ではないかと思います。

フランスに限らずヨーロッパでは、愛犬連れで実にさまざまな場所へ赴き、犬とともに旅を楽しむ人々をよく見かけます。このように飲食店や宿泊施設がペットに寛容であることから、気軽に愛犬と旅行に出る人も多いのかもしれませんね。

フランス人が愛する、テラスで過ごす夏の時間

フランスの夏は21時ごろまで太陽が沈まず、1日の日照時間が長くなります。そんな気持ちがいい季節、カフェやレストラン、バーの外一面をずらりと埋め尽くすのがテラス席。フランスの夏の風物詩とも言える光景です。

朝のコーヒータイムにランチタイム、仕事や勉強の合間に仕事終わり。昼時間が長い夏の間、フランス人たちは、恋人や友人、家族とテラスで食事やお酒を楽しむのが大好きです。そしてそんな人々の憩いのテラス席には、いつもどこかしらに犬の姿があります。

飼い主の足元でちょこんと伏せ、ゆったりと過ごす犬たち。愛犬たちも、家族との憩いの時間を楽しんでいるように見えます。

店でくつろぐ看板犬や看板猫

飲食店などに同伴されている犬と同じくらいフランスで見かけるのが、お店の看板犬たちです。飲食店だけでなく、本屋さん、アパレルショップ、雑貨屋さん、お土産屋さん、八百屋さんにヘアサロン…ふと入る店で足元に擦り寄ってくるワンちゃんや、心地よさそうに横になるワンちゃんを見かけます。ショーケースの中でお昼寝をする犬や猫もよくいます。

日本からフランスに移り住み2年以上が経ちますが、私がこちらに来て最初に驚いたことは、こうして街なかで出会う犬たちがみなとても落ち着いているということ。お店で過ごすワンちゃんもお散歩中のワンちゃんも、本当によくしつけられているなぁと感心してしまいます。

さいごに

今回はフランスで店に入る際の犬の同伴についてお伝えしました。以前もご紹介しましたが、このほか、フランスでは賃貸物件も犬の飼育を理由に入居を拒否されることはありません。

このようにさまざまな場所で犬の存在が寛容に受け入れられるその背景には、犬と歩んできた人の長い歴史と、そこに根付くモラル、犬への深い愛情と理解があるからなのかもしれないなと、フランスの街を歩くとそんなことを思います。

本コラムでは引き続きフランスでの犬事情についてお届けしていきたいと思います。もし気になることがあればぜひリクエストしてくださいね。それではまた次回をお楽しみに!

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  • Writer:Mariko Dedap
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