犬にとって危険な植物とは?犬が食べてはいけない植物の紹介と対処法
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私たちが愛犬と一緒に暮らす環境にはさまざまな植物もあります。ですが、犬にとっては危険な植物があることを知っていますか?愛犬とのお散歩ではたくさんの植物に囲まれた公園コースを楽しむ方も多いかもしれません。本記事では、犬にとって危険な植物と対処法などを紹介します。ガーデニングが趣味で庭に植物を育てている方もぜひ参考にしてみてください。
目次
犬にとって危険な植物があるって知ってた?
日本では四季を通してさまざまな植物が開花したり、紅葉したりしています。見ているだけでは問題ないのですが、犬は種を拾い食いしてしまったり他の食べ物と間違って花を食べてしまったりする可能性もあるかもしれません。しかし、犬がもしも危険な植物を食べてしまうと下痢や嘔吐、場合によっては中毒症状を引き起こしてしまう恐れもあります。
犬にとって危険な植物とは
犬が食べると危険な植物はたくさんあります。今回は屋外と屋内に分けて、代表的な植物を紹介します。
お庭や公園にありがちな犬に危険な植物
散歩コースや公園にありがちな植物で犬に危険なものは以下のとおりです。
- スミレ
- パンジー
- チューリップ
- スズラン
- スイートピー
- ツツジ
- アジサイ
- ユリ
- アサガオ
- スイセン
- イチョウ
中には大量摂取すると、意識障害や命の危険もあるので注意が必要です。
室内にあって犬が食べてはいけない植物
家の中にありがちで犬にとって危険な植物もあります。観葉植物やイベントなどでもらって花瓶に飾られそうな植物も含めて紹介します。
- アロエ
- カーネーション
- シクラメン
- ヒヤシンス
- アイビー
- キク
- ポインセチア
- クリスマスローズ
- ポトス
犬が家の中で自由に動き回れ、生活スペースをすべて共有している場合にはくれぐれも注意してください。
もし犬が危険な植物を食べてしまったら
ほとんどの植物が犬にとっては危険と言えるくらいのたくさんの植物があげられたかと思います。では実際に植物のどの部分が危険で、もし犬が誤って食べてしまった場合、どうなってしまうのでしょうか。以下のような症状があげられます。
スミレ(種・茎・根) | 嘔吐・神経毒・心臓麻痺 |
パンジー(種・茎・根) | 神経毒・心臓麻痺 |
チューリップ(球根・花・葉) | 口内炎・皮膚炎・心不全 |
スズラン(葉・花すべて) | 嘔吐・頭痛・心臓麻痺 |
スイートピー(種・花・葉) | 神経麻痺 |
ツツジ(葉・花・密) | 嘔吐・下痢・痙攣・多量摂取で呼吸停止 |
アジサイ(葉・つぼみ) | 嘔吐・意識障害・めまい |
ユリ (葉・花すべて) | 嘔吐・下痢・尿毒症で致死 |
アサガオ(種・葉・花) | 嘔吐・下痢・血圧低下 |
スイセン(球根・葉・花) | 嘔吐・下痢・中枢神経麻痺・血圧低下 |
イチョウ(葉・実) | 嘔吐・下痢・神経麻痺・皮膚炎 |
なお、イチョウの木になる実、銀杏は別記事で詳しく伝えているので参考にしてください。
・銀杏の記事 https://inumag.jp/9278
また上記は誤飲してしまった際の参考にあげたものであり、他の部位なら安全というわけではありません。犬にとって、この花だけなら食べても大丈夫という学習は難しく、日頃から植物自体を食べないように配慮しましょう。
屋内に飾られたり、置かれたりしがちな花や観葉植物は、以下の症状があげられます。
アロエ | 体温低下・下痢・嘔吐 |
カーネーション | 嘔吐・下痢・食欲不振 |
シクラメン | 嘔吐・下痢・胃腸炎・中毒で致死 |
ヒヤシンス | 皮膚炎・アレルギー症状 |
アイビー | 嘔吐・下痢・口腔の痛み・目の痛み |
キク | 嘔吐・下痢 |
ポインセチア | 嘔吐・下痢・痙攣 |
クリスマスローズ | 嘔吐・下痢・心拍異常・痙攣 |
ポトス | 口の中の腫れ・皮膚炎 |
上記にあげた以外の症状も、食してしまったとき犬の体調や個体差によっては現れることがあるかもしれません。くれぐれも誤食のないよう注意してあげてください。もしも食べてしまった場合には速やかに動物病院に相談してください。
犬が植物を食べないための予防策
たくさんの危険な植物を伝えましたが、今後の生活において犬が食べない予防策についてもお伝えします。日頃から愛犬の健康を守れる習慣を身につけてもらいましょう。
拾い食いのクセをつけない
拾い食いやくわえることが好きな犬もいます。中には犬種の特性によって、レトリバーのように物をくわえたがる習性を持つ子もいるでしょう。しかし、公園や散歩道には思いがけず危険な植物が落ちていることもあります。そのため、普段から拾い食いはダメなことを伝えましょう。
回避するトレーニングは拾い食いをした瞬間に、大きな声で「あ!」と叫んだり、足で大きな音をたてたりすると犬が驚いて拾い食いを中断します。そこでやめたことを褒めてあげます。繰り返すことで、犬は褒められることが大好きなので拾い食いを避ける学習をします。
くわえたものを放せる練習をしておく
食べてしまったときの対応にも使えますが、犬がくわえたものを放すトレーニングをしておくことも大切です。たとえば、おもちゃを引っ張り合って遊んでいるときに、犬がくわえ直して口から放したタイミングで上におもちゃを取り上げて「アウトよくできたね」と褒めてあげます。
アウトがくわえたものを口から出す指示と分かってもらえると、万一のときにも飲み込みを未然に防げます。このようなコマンドをいくつか覚えてもらうことは、愛犬との安全な生活を送るうえで欠かせないポイントですよ。
生活空間に置かない
もちろん植物が目の前にあっても何もしなければ危険はありません。ただし犬によっての性格や個体差はありますが、どうしても植物を口にしてしまう可能性があるワンちゃんのご家庭では、犬と一緒に生活するスペースに観葉植物を置かないように配慮しましょう。もしもすでに観葉植物を置かれているご家庭は、犬の入れない部屋や犬の届かない高い場所に移動させるなど工夫してみてください。そして、ガーデニングをしているご家庭では植物のまわりにサークルを置いて犬との接触を避けるなども有効です。
さいごに
植物は私たちにとって豊かな生活を送るアイテムや癒しにもなりますが、犬と暮らすうえでは気を付けなくてはなりません。日頃から犬のトレーニングや行動を意識して、犬の健康を守る安全な暮らしを送っていきましょう。そして彩りが美しい日本で匂いをかぐことが大好きな犬たちと四季折々の散歩を楽しんでくださいね。
INUMAGではこれからも犬にとって健康でためになる情報をお届けしていきます。
- Writer:今崎 湘子