犬が銀杏を食べたらダメ!犬の食事をペットフーディストが解説
- フード/おやつ
犬に銀杏を食べさせたらダメ!
銀杏は犬に食べさせてはいけない食材です。散歩中にイチョウ並木を通り、愛犬が銀杏を拾い食いしてしまったという話を聞くことがあります。が、銀杏を殻のまま食べてしまっても、人に踏まれ細かく砕かれた銀杏の実の部分を食べてしまっても危険は伴います。銀杏には犬にとって中毒を引き起こす可能性のある危険な成分が含まれているからです。
この記事ではなぜ犬に銀杏を与えてはダメなのか、もしも銀杏を食べてしまったらどんな症状になるのか危険性についてもお伝えします。
銀杏に含まれるギンコトキシン
銀杏にはギンコトキシンと呼ばれる神経伝達物質のバランスを崩す成分が含まれています。犬の体にとって神経伝達物質を合成する際に補酵素となるビタミンB6を、ギンコトキシンが阻害してしまうとあらゆる症状が引き起こされる可能性があります。
その結果、てんかんやけいれんを起こす恐れがあります。人間にとっても銀杏は大量に食べると危険です。犬にとってはたとえ一粒でも危険性があり、大量摂取は死に至る可能性もあるため、誤って食べることがないように注意してください。
皮膚炎を引き起こすギンコール酸
たとえ銀杏を食べなくても、皮膚に接触するとかぶれの症状を引き起こすギンコール酸という成分がイチョウの葉と銀杏の殻に含まれています。そのため、かぶれやすい犬は銀杏が落ちている道路を歩いてかぶれないように気を付けてあげることも大切です。秋の紅葉散歩では、皮膚の弱い愛犬の足元に銀杏の殻が落ちていないか注意して見てあげてください。
どのくらいの量で中毒症状になるか
どのくらいの銀杏の量を食べて中毒症状を引き起こすかは犬の個体差にもよりますが、人間の場合は体重1キログラムあたり3〜4粒の量で中毒が引き起こされるというデータがあります。犬は人間よりも体が小さいことで解毒機能が低いために重症化してしまう恐れがあります。
さらに、内臓機能が未発達な子犬や消化機能が衰えた高齢犬が食べてしまった場合、たとえ一粒でもあらゆる症状が現れる可能性がありますので誤飲にはくれぐれも気を付けましょう。
また、その日の犬の体調で症状が全くないこともあれば、ほんの少しで中毒症状が出ることもあります。少なくとも人間の子供で症状が出た量の基準、1キログラムあたり3〜4粒以上の量を犬が食べてしまった場合には、すぐにかかりつけの獣医師に相談して適切な処置を受けることをおすすめします。
犬が銀杏を食べてしまったときに出る症状
犬が銀杏を食べてしまったときに出る可能性がある症状は以下のとおりです。
- ✔︎ 下痢
- ✔︎ 嘔吐
- ✔︎ 呼吸困難
- ✔︎ けいれん
- ✔︎ めまい
- ✔︎ ふらつき
これらの症状は、食べてしまってから1時間後から12時間たった頃に現れることがあります。
もちろん、犬の個体差やその日の体調によって症状が出ないこともありますが、食べてしまった場合はその後の体調変化をよく見ていく必要があるでしょう。そして、食べた量によってはかかりつけの獣医師に早急に相談してください。
銀杏の殻ごと拾い食いしても危険
銀杏は固い殻に覆われています。中毒を引き起こす成分は、銀杏の実の中心部分にあるため、かみ砕かずに食べれば有毒成分が消化されない可能性があります。その結果、腸に詰まって腸閉塞になってしまったり、消化管を傷つけてしまうことも考えられます。
イチョウ通りを愛犬と散歩するときには、くれぐれも目を離さないように行動に気を付けてあげてください。
さいごに
秋は愛犬と紅葉を楽しみながら散歩するのにいい季節です。いつもと違った散歩コースで新鮮な空気や景色をともに味わうことは、犬にとっても飼い主にとっても、いい刺激と実りある時間になることと思います。
一方で、木の実がたくさん落ちている散歩コースでは愛犬の拾い食いに十分に気を付けながら、四季の外出を楽しんでくださいね。
INUMAGでは愛犬の健康的な食生活と飼い主とともに幸せで楽しい暮らしを応援していきます。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。