【犬の歯磨き実践ステップ編】初級者基礎レッスン!〜大型犬版~
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【犬の歯磨き実践ステップ編】初級者基礎レッスン!〜大型犬版~

INUMAGの犬の歯磨きコンテンツ「実践ステップ編」。
前回は、小型犬版の「犬の歯磨き基礎レッスン~初級編~」をご紹介しましたが、今回は大型犬版。歯磨き初心者の、グレート・ピレニーズのさくらちゃん&飼い主と一緒に、歯磨きトレーニングを実践していきます。

今回も犬の歯磨きを教えてくださるのは、犬の歯磨きのスペシャリスト。INUMAG歯磨き講師で神奈川を拠点に活躍されている「Peace&Hope」代表のドッグトレーナーの渡辺ゆずる先生です。

マズルが大きな大型犬ならではの悩みにも寄り添った、トレーニング方法をご紹介します。

歯磨きトレーニングに挑戦してみよう

今回歯磨きトレーニングに挑戦してくれたのはINUMAGのモデル犬としても活躍するグレート・ピレニーズのさくらちゃん(6歳7カ月)と田子ますみ(タゴ マスミ)さん。
小型犬版で活躍してくれたフランソワくんと同様、当日準備してきてもらったのは、普段使用している歯ブラシ・コップ(歯ブラシをゆすぐ用)・おやつ(愛犬の大好物)です。

「今まで簡単な歯石取りは2回ほど行っています。歯磨きは、毎月通っているトリミングサロンでしてもらっているので月1回だけです。まったくの歯磨き初心者ですが歯磨きの技術を習得できるように、さくらと一緒にがんばります!」と田子さん。2人とも意気込みもバッチリです!

伏せの姿勢で歯磨きをする練習をしよう

大型犬はマズルが大きいこともあり、小型犬のように人の手の大きさによっては、コップを持つような形ではマズルが覆えないことも。大型犬の場合は、伏せをできる子はその行動を生かして、歯磨きの実践に取り入れていきましょう。

①まずは、飼い主の正面で「伏せ」の練習です。

ご褒美を使って伏せの練習

最初はご褒美を手に持ち、においを嗅がせながら誘導していきます。伏せの体勢ができるようになってきたら、次は「伏せ」などの言葉をつけて、ご褒美を持たずに手で誘導をしていきます。できたらすぐにご褒美。
最終的には、ご褒美を持たずに「伏せ」の言葉で犬が行動できるように練習を。これができたら「OK!」や「いい子!」など褒める言葉の後、すぐにご褒美を与えます。

②伏せができるようになったら、「伏せ」の体勢を飼い主の太ももの上や、床など、将来的に歯みがきしやすい場所で維持できるように練習していきます。

初めのうちは、手で誘導しましょう。手の動きで、どこの場所にあごをつけたらよいかを犬が理解してきたら、「あご」や「つけ」など言葉の合図をつけます。
言葉はどんな言葉でも大丈夫なので、短く分かりやすい言葉にしましょう。ただし、犬が混同しないよう他のコマンド(行動の指示)とは違う言葉にしてください。

伏せをしながら床にあごをつける

言葉の合図 →  手の誘導 → 犬が床もしくは飼い主の太ももにあごをつけて歯みがきをしやすい体勢でキープ → ご褒美を与える

③あごを飼い主の太もも、もしくは床につけたら「まて」と合図をかけて体勢を維持。
その後に、人差し指でどちらかのマズルを一瞬だけ優しくタッチします。
1回のタッチごとに、ご褒美を与え繰り返していきましょう。

④タッチができるようになったら、今度は少しマズルのところに指を添わせます。
できたら、すぐにご褒美!

⑤マズルに指を添わせるようになったら、今度は少しマズルを上にあげてみましょう。
できたら、すぐにご褒美!

ご褒美を与えるタイミングが大事です。すぐにご褒美を与えるようにしていきましょう。

指でマズルを上げる
さくらちゃんの場合は、伏せの体勢が一番リラックスできていたので、今回この体勢で歯みがきにトライしました!

マズルを指で上げたときに、歯が見えるくらいになるまで、ゆっくりと毎日繰り返し練習をしていくことをおすすめします。

まずはここまでの工程がしっかりできるように、1回の練習は始めは1~2回からにしましょう。

①から⑤までの流れができるようになったら、次のステップへ。
犬を誘導する手とは反対の手で歯ブラシを持ちながら、①から⑤までを行っていきます。歯ブラシはまだ口には入れませんが、手に持ちながら同じ工程をトレーニングして歯ブラシを持つ手からご褒美を与えることで、歯ブラシ自体にも慣らしていきます。

ここまでできるようになったら、次のステップ「歯ブラシを口に入れる」に進みましょう!

ここがポイント!
犬が、伏せの行動を学習してきたらご褒美は誘導する手には持たずに、歯ブラシを持つ手の内にもっておくようにしましょう。

正面で向き合って磨くやり方にも挑戦

犬の歯みがきは、人のようにホワイトニングなど【歯を白くすること】が目的ではありません。

歯周病予防は、いかにプラークコントロール(歯垢を取り除いてあげられるか)かが大切で、そのためには、愛犬の歯をしっかりと飼い主が目視しながら、歯の表面だけでなく、歯肉と歯の間の隙間を刷掃してあげることが何よりも大切です。

やる気満々のさくらちゃん、口の中がよく見える正面にお座りして歯磨きする姿勢にも挑戦してみました。

①まずは、飼い主の正面でお座りをさせます。

まずは正面に向き合い

②次にマズルを触る練習です。
ワンちゃんのほほに飼い主が手のひらでタッチできるようにご褒美で誘導します。

片手を平手にし、反対の手でご褒美を持ち誘導
手のひらにワンちゃんが顔をタッチできたらご褒美をあげる

さくらちゃん、上手に手のひらに顔をタッチできました!

③顔をタッチできるようになったら、次に人差し指でマズルを上げる練習をします。
まずはマズルに触れるようになるところから練習し、マズルに触れることが嫌がらなくなったら、指を口内に入れられるように練習していきましょう。もちろんご褒美は忘れずに。

同じ体勢でまずは人差し指で軽くマズルに触る

④タッチができるようになったら、今度は少しマズルのところに指を添わせます。
できたら、すぐにご褒美!

⑤マズルに指を添わせるようになったら、今度は少しマズルを上にあげてみましょう。
できたら、すぐにご褒美!を忘れずに。

人差し指でマズルを上げる
人差し指を口の中の方まで入れる

伏せの姿勢でのトレーニングのときと同様に、マズルをめくり上げる手と反対の手に歯ブラシを持ち、歯ブラシにも慣らしていきましょう。

さくらちゃん 、この工程もなんなくクリア!
しっかりと犬歯を指で触わることができました!さくらちゃんすごいです。
この頃には、マズルを触ることにも慣れてきて口内に指を入れても嫌がりません。

このように段階を踏んで、一瞬で終わる練習を繰り返すことで、さくらちゃんの集中力もキープ。ストレスなくトレーニングを進めることができました。また、トレーニング中その都度ご褒美を与えることによって、さくらちゃん自身のモチベーションもUP。終始ご機嫌な様子でした。

この姿勢の場合で行う場合でも、ここまでの工程がしっかりできるように、1回の練習は始めは1~2回からにしましょう。

さくらちゃんはなんなくクリアできましたが、ワンちゃんによって(または飼い主によっては)できるようになるまでのスピードは全く違います。それぞれのスピードで、焦らずじっくりやっていってくださいね。

正面で向き合って歯磨きをする場合のステップ、①から⑤までの流れができるようになったら、次のステップ(歯ブラシを口に入れる)へ。もし次のステップで歯ブラシに犬が嫌悪を示したり顔をそむけた場合は、ここのステップに戻って①から⑤までを練習してみましょう。

ここがポイント!
歯と歯茎の境目をしっかりと目視をしながら、愛犬に歯磨きをしてあげるためには、何が必要なのか。個々の愛犬としっかり向き合うことが愛犬の病気など未然に防ぐことにもつながります。

歯磨きの基本姿勢について復習

今回大型犬の歯磨きの基本姿勢については、「伏せの姿勢で行う場合」と「正面で向き合って行う場合」の2パターンを紹介してきました。それぞれの愛犬の個性に合った負担にならないリラックスできる姿勢で行ってみてくださいね。

【伏せの姿勢で行う場合】
伏せ → (ご褒美) → あごのせ(あご置き)→ (ご褒美) → マズルをタッチ → (ご褒美) → マズルに指を沿わす → (ご褒美)→ マズルをめくりあげる → (ご褒美)

【正面で向き合って行う場合】
正面にお座り → (ご褒美) → マズルをタッチ → (ご褒美) →  マズルに指を沿わす → (ご褒美) →マズルをめくりあげる → (ご褒美)

※最初はひとつの動作ごとに必ずご褒美を与えるようにし、できるようになってきたらご褒美を与えるタイミングを、2つの動作の後にご褒美、3つの動作の後にご褒美、最終的にはすべての動作の後にご褒美を与える、というようにしていってくださいね。

さて、ここまでの動作ができるようになりましたか?
飼い主も慣れるまでは大変ですが、ワンちゃんの負担にならないようスムーズにできるようになるまでがんばりましょう。
この一連の流れが歯みがきの入口です。しっかりできるようになったら、今度は歯ブラシを使っていきます。

歯ブラシを口の中に入れてみよう

飼い主は利き手で、歯ブラシを持ちます。
持ち方はペンを持つときの握り方です。力が入りすぎないように注意しましょう。

①まずは、歯ブラシに興味を持つことが重要です。
利き手に持っている歯ブラシを、自発的に舐めてくれように、歯磨きペーストなどを使ってみましょう。ペーストがなくても、歯ブラシの上に愛犬の大好物を置いたり、はちみつ水を使って練習していくのもおすすめです。

はちみつ水を使って、歯ブラシに興味を持たせる

◆はちみつ水の作り方◆
100cc程度の水に小指の爪半分ぐらいのハチミツを溶かしてよく混ぜたものを歯ブラシに付けて使います。

②マズルに指をソフトタッチしてから、歯ブラシを口元まで持っていき、嫌がって顔をそむけないかしっかり観察します。
もし、嫌がらないようであればそのまま舐めさせます。

歯ブラシを舐めてくれるようになったら、次のステップへ!

③次は、マズルを指で上にあげて、歯ブラシを犬歯かまたは、見えている歯に当てて一瞬で手前に引き抜きます。
1回手前に引き抜いたら、その度に必ずご褒美を与えましょう!

歯ブラシを持っていない手でマズルを上げ、歯ブラシを一瞬だけ入れる

④マズルをあげて、歯ブラシを手前に引き抜く工程を左右で繰り返して練習していきます。
慣れて犬が受け入れられるようになるまでは不快感や嫌悪を抱かせないように、嫌がらない程度に練習の回数を少なめにするのが効果的。最初は左右で1~2回からスタートして、毎日少しずつ増やして慣らしていきます。

さくらちゃん 、歯ブラシを嫌がることなく、最後までやり遂げてくれました!

犬にとって痛みを感じず、口を無理やりこじあけられたり、不快な出来事がなければ、だんだんと自然に歯ブラシを受け入れてくれるようになるはずです。

もちろんその子その子によって、できるようになるまでのペースは全然違いますし、不快に感じることにも差があります。もし不快に思っているようでならば、「何に嫌悪や不安を感じたりしているのか?」「物である歯ブラシなのか、それとも飼い主の手や姿勢、手の動きなのか?」など、自分の愛犬としっかり向き合って見極めてあげることが大切です。じっくりと焦ることなく進めていってくださいね。

渡辺先生のアドバイス~トレーニングの心得~
One Point!
愛犬が落ち着く体勢をみつけてトレーニングを進めよう
伏せができるこの場合は、伏せをさせてから始めるとワンちゃんも落ち着いてトレーニングが進められます。正面に向かい合う体勢が落ち着く子は、それでもOK。ワンちゃんの個性に合わせて、愛犬がリラックスできる体勢を探してみましょう。
ご褒美はすぐにあげて、できたことをたくさん褒めてあげよう
トレーニング中、上手にできたらすぐにご褒美をあげましょう。ご褒美はその行動が正しいという瞬間を犬に伝えることができるアイテムです。達成感を大切して、たくさん褒めてモチベーションをあげてあげましょう。
犬が飽きて落ち着きがなくなったらやる気がでるまで待つことも大切
あまり長時間トレーニングしていると犬も飽きてきます。犬が飽きて集中力が切れる前にトレーニングをストップさせることも重要です。少し時間を置き、犬の準備体勢が整うと自ら寄ってきます。

さいごに

今回は、大型犬(グレート・ピレニーズ)の歯磨きトレーニングの進め方を実践編でお届けしました。大型犬となると、マズルの大きさも片手では収まらないほど。ワンちゃんの犬種によって歯磨きの方法は異なってきます。「伏せ」のコマンドを活用したトレーニングは大型犬ならではでしたね。

さくらちゃんは、初めての歯磨きトレーニングながらも楽しくやる気全開で積極的に取り組んでいました。犬のやる気を伸ばしながら、一緒に成長していける歯磨きトレーニング。ステキですね。

 前回と今回で登場してもらったフランソワくんとさくらちゃんの歯磨きトレーニングには、引き続きトレーニングに取り組んでもらい、トレーニングの成果を披露してもらう予定です。お楽しみに。

  • Writer:おおくぼ あい

渡辺トレーナーから学ぶ「犬の歯磨き」

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