「犬の歯磨き」で愛犬の健康寿命を伸ばそう
- 歯磨き
家族の一員として一緒に暮らしている愛犬。いつまでも、一緒に楽しく過ごしたいと願うのはすべての飼い主に共通する思いでしょう。
INUMAG(イヌマグ)でも、すべての犬たちが健康に長生きして、飼い主と一日でも長く楽しく過ごせることを心から願っています。
大切な愛犬が「健康で長生きする」、いわゆる「健康寿命」を延ばすには、日頃からの飼い主のケアやサポートが必要となります。ワンちゃんのケアにはさまざまなものがありますが、その中でも「犬の歯磨き」は大事なケアのひとつです。
そこでINUMAGでは、「犬の歯磨き」に注目し連載をスタートしました。
初級編から実践編までシリーズ記事として、初心者にでも分かりやすいように解説していきます。
愛犬と楽しく歯磨きができるように、犬の歯磨きのプロフェッショナルな先生と一緒に犬のデンタルケアの正しい知識を身につけていきましょう。
楽しみながら犬の歯磨きを学ぼう
さて、INUMAGで犬の歯磨きについて教えてくださるのは、神奈川県横浜市で出張専門にて家庭犬のドックトレーニングをしている渡辺ゆずる先生。渡辺先生が運営する「Peace&Hope」はこれまで、数々の問題を抱える犬のトレーニングに携わり、たくさんのワンちゃんたちを救ってきました。
そんなドッグトレーニングのエキスパートが、さまざまなトレーニングの中でも、特に注目しているのが「犬の歯磨き」。渡辺先生は歯磨きを通じて、犬の健康寿命を延ばし生活の質(QOL)を保ってあげたいとの思いからドッグトレーナーの有志たちで立ち上げた「ドッグデンタルケア.トレーニングソサエティ」の発足メンバーの一人で、各地で勉強会を開き歯磨きのやり方やノウハウを指導しています。
INUMAG編集部のメンバーも、まだまだ犬の歯磨きが苦手なメンバーも多いので、みなさんと一緒に、歯磨きのやり方を学んでいきたいと思います。楽しみながら、頑張っていきましょうね!
犬の歯磨きをすることによって得られるメリットは?
毎日犬の歯磨きを続けることで、ワンちゃんや飼い主にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
犬の口内環境が悪くなるとどうなる?
犬の歯磨きをせず、口内環境が悪くなるとどのようなことが起こるのでしょうか?
- 歯周病などの病気になりやすくなる
- 歯周病菌が全身疾患の引き金になる可能性も
- 悪化すると、痛みや不快感によって食べることや、かじって遊ぶことを避けるようになることも
口内環境の悪化を予防するためにはプラーク(歯垢)の除去が必要!
口内環境が悪くなっておいしいご飯が食べられなかったり、大好きなおもちゃで遊べないなんてワンちゃんもかわいそう。犬にとっては、「噛む=喜び」でもあるので、日々の生活もワンちゃんたちにとっては楽しみも半減してしまいますよね?
そうなんです。そこで口内環境の悪化を予防するために必要となるホームケアが、歯磨きです。しっかり毎日歯磨きをすることでプラーク(歯垢)は取り除くことができます。そして、プラークを取り除くことで歯石が付くことを防ぐことにつながります。未然に歯の病気を予防してあげられるのは、ワンちゃんの一番近くにいる飼い主さんしかいないんです。愛犬と一日でも長く快適な暮らしを送るためにも大切な習慣なのです。
歯磨きトレーニング 始める時期は?
歯磨きを始める時期について、「いつからでも遅くはありません。歯磨きをやろう!と思ったときが始め時です」と話す渡辺先生。ただし、子犬のうちから始められた場合は、歯磨きに必要な道具への受け入れも早いので、子犬を迎え入れたらぜひ取り組んでもらいたいとのお話も。成犬の場合にはいろいろな経験が学習と結びついていることも多く、個体差があり、子犬の時期と比べると、トレーニングに時間がかかることもあるそう。でも犬の寿命を考えれば、ある一定の期間、歯磨きを受け入れてくれる時間がかかったとしても、決して長い時間ではないと思います。
うちの子は7歳のトイプードルで今まで歯磨きの経験はほとんどありません。トレーニングはやっぱりパピーの頃からやっていないと難しいのでしょうか?
子犬の時期から始めていなくても、何歳からでも大丈夫ですよ。ただ成犬の場合は個体差があるので、その子のペースでゆっくり時間をかけて、トレーニングの段階を踏んで、歯磨きを受け入れてくれるようにしていくことがポイントになります。
なるほど!今後の犬の健康管理を考えると、一日でも早く始めることが大切なんですね。
「あのとき始めておけば…」と先々後悔しないためにも、まずはチャレンジしてみる価値がありそうですね。
歯磨きを始める前に…
歯磨きを始める前に歯茎からの出血や歯のぐらつきがある場合には、すでに歯周病の症状が進んでいることがあります。その場合歯磨きは始めず、まずはかかりつけの獣医に相談してください。
犬の歯磨きの必要性について分かってきたかな?
どうして犬の歯磨きが必要になってくるのか、今日学んだことを復習してみよう!
- 毎日歯磨きをして犬の口内をチェックするメリットは?
- 毎日の歯磨きはプラーク(歯垢)を取り除くだけでなく、口の中が確認できるから歯周病などの病気になったときにもいち早く気付いてあげることができるよ。
- 歯周病が悪化しても犬の健康に影響はない?
- 口内環境が悪化し歯周病になってしまうと全身疾患などの病気の引き金になることも。ごはんが食べられなくなったり、遊ぶことを避けるようになってしまうよ。
- 犬の歯磨きはパピーの頃から始めないと意味がない?
- パピーの頃から始めていなくても大丈夫! 飼い主が始めようと思ったときが始め時だよ。成犬は慣れるまでに時間はかかるけどまずはチャレンジしてみよう!
さいごに
さて、INUNAGの歯磨きコンテンツがスタートしましたが、第一回目はいかがでしたか?
歯の環境・口内環境を整えることは、人にとっても犬にとっても生きていく上で大切なこと。人間は、ごはんを食べたら歯を磨きます。磨かないと虫歯になって、自分が痛い思いをするからです。でも、当然犬は自分では歯を磨くことができません。犬の口内トラブルで一番多い疾患は歯周病です。だからこそ、病気から守ってあげるためにも飼い主の出番なのです。
愛犬の歯磨きが続かない理由はさまざまだと思います。
どうしたら飼い主と愛犬が一緒に楽しく歯磨きができるようになるのか。INUMAGは飼い主のみなさまの気持ちにとことん寄り添って取り組んでいきます。最初はみんな初心者で分からないことばかりです。でも、学び知ることは、愛犬を守る力につながります。みんなで一緒に頑張りましょう!
次回は、「犬の歯磨きに必要なグッズ選びと正しい知識」について詳しく説明していきます。お楽しみに!
- Writer:おおくぼ あい
- Photographer:太田 理恵