「犬の歯磨き」重要なこと&コツとは?
- 歯磨き
INUMAGでスタートした犬の歯磨きコンテンツ。
第1〜3回目までは、実際に歯磨きをスタートする前までのお話しと、歯ブラシの正しい持ち方や力加減などについてのお話しでした。ぜひ復習してみてくださいね!
#1「犬の歯磨き」で愛犬の健康寿命を伸ばそう
#2「犬の歯磨き」必要なグッズ選びと正しい知識を
#3「犬の歯磨き」まずはここから練習してみよう!〜超初心者編〜
さて、今回のテーマは、犬の歯磨きの重要なポイントやコツについて。
犬の歯磨きを教えてくださるのは、犬の歯磨きのスペシャリスト。INUMAG歯磨き講師で神奈川を拠点に活躍されている「Peace&Hope」代表のドッグトレーナーの渡辺ゆずる先生です。
第4回目となる今回は、犬の歯磨きを進めるにあたって、まずはどんなことに気を付けたらいいのか?どういう風にワンちゃんに教えていくのか?日ごろから心がけることなどについて、教えていただきました。
目次
犬の歯磨きを始めるにあたって重要になってくることは?
「犬の歯磨きの実践に入る前に必要なことがあります。それは、飼い主と犬の関係性を築くことです」と話す渡辺先生。ドッグトレーニングで大切なのは、犬と向き合うこと。そのためには日ごろからよくコミュニケーションをとっておく必要があるんだそう。
さらにトレーニングのコツとしては、「トレーニングの中では犬の嫌がることはしません。愛犬が嫌悪をいだく前に楽しい経験で終わらせることが大切です。なので自分の愛犬の嫌がることは何なのか、観察することからトレーニングは始めるようにしましょう」とのこと。まずは愛犬の喜ぶポイントや嫌がるポイントをよく知ることが重要になるようです。
✔︎ 日ごろからコミュニケーションをとる
愛犬の名前を呼んだら来るとかアイコンタクトができるなど、犬との関係性は築けていますか?「犬が嫌がったから諦める」というパターンが多いのはこのコミュニケーション不足が原因かも。すぐに歯磨きから始めるのではなく、まずは犬とのスキンシップやコミュニケーションから始めてみて。
✔︎ 犬にとって楽しい時間にする
犬にとって集中力を高め楽しくトレーニングするには、「『もう嫌だ!』という嫌悪反応が出る前や、犬が飽きて集中力が無くなる前にやめる」が鉄則。そうすると、犬は楽しい経験で終わるため、次にまた行うトレーニングへの意欲にもつながるそう。ワンちゃんを観察しながら、楽しくトレーニングができるように工夫してみよう。
✔︎ 飼い主にとって楽しい時間にする
飼い主が乗り気でないと、そのモチベーションの低さが人の動きにつながって、犬にも伝わります。まずは飼い主の方が歯磨きに苦手意識を持たずに、とにかく楽しんでやろうと思うことが続けられるポイントに。ワンちゃんとのスキンシップの一環として考えてみて。
「日ごろから愛犬とたくさんスキンシップやコミュニケーションを取って、一緒に楽しい時間を共有し、愛犬を知ることがトレーニングの成功につながります」と、愛犬とのコミュニケーションの大事さを教えてくれた渡辺先生。
犬の歯磨きができるようになるには?
とにかく焦らずじっくりと。すぐに歯ブラシを犬の口に入れるということはせずに、まずは歯ブラシを見せるところから始めてみましょう!
歯磨きを始めると言っても、最初から歯ブラシを口に入れて磨くわけではないんですね?
ワンちゃんにとって初めて見る歯ブラシ。その物自体を受け入れるまで時間がかかる子もいます。まずは犬が歯ブラシに興味を持つことが大切です。始めは、歯ブラシに目線がいったり、犬自ら歯ブラシに近寄ってきただけでも、褒めてご褒美(おやつ)をあげましょう。
犬に、歯ブラシを見ると「いいことが起こる!」と連想させるところから始めます。「歯磨き=良いことが起きる(うれしい)」という繰り返しの学習をさせることで、犬たちにとってその歯ブラシという存在が受け入れやすくなります。
犬の歯磨きにとって何より大切なのは続けること
犬の歯磨きのトレーニングはこのような感じでスタートしますが、実は歯磨きのやり方自体をマスターすることはそんな難しいことではないんですよ。でも、難しいのはその後。毎日続けることが一番難しいんです。一日一回寝る前にやるなど、飼い主の生活の中で、習慣化して定着させていくことが一番大切になってきます。
例えば、必ず自分の歯磨きの前に、ワンちゃんの歯磨きをすることを習慣にする。慣れてくるとほんの少しの時間です。その少しの時間によって、ワンちゃんの健康寿命が伸びることにつながると考えれば、飼い主さんも負担に思わずに、当たり前のことと思って続けられるようになるのではないでしょうか?
歯磨きトレーニングを始めるには、ワンちゃんとの信頼関係を築くのが最優先だよ。日ごろからコミュニケーションは取れているかな?実際に、ワンちゃんとスキンシップを取りながらやってみよう!
- ワンちゃんの頭や体を撫でることができるかな?
- もし触れたり撫でたりして唸ったり吠えたりするなら、人の手が怖かったり、体に触れられる感触に慣れていない可能性が。犬が緊張や恐怖が起きないようにすることが大事!その場合には、無理やり触ることなどをしようとせずに、人の手を受け入れられるようにおやつを使ったり褒めたりしながら、ちょっとずつ慣れていってね。
- 口の周り(マズル)を触ることができるかな?
- デリケートな場所だから、口の周りを触られることが苦手なワンちゃんも多いよ。
スキンシップを取りながら、口の周りを触れるようになっていこう。 - 歯ブラシを見ることはできるかな?
- まずは歯ブラシを見せることから始めて、歯ブラシに慣れてもらおう。ご褒美(おやつ)を使って歯ブラシがでてくると「いいことが起こる!」と連想させよう。
さいごに
今回は、ワンちゃんとのコミュニケーションの大切さがポイントになるお話でした。
苦痛であったり、嫌悪を抱く経験を積み重ねていくと、犬にとって受け入れがたい環境を作り出してしまいます。人間でも同じですよね。そのおうちの愛犬たちにとってどんなことが楽しい経験となるのか、それを考えることも大切なことのひとつです。
そして犬にとって楽しいと感じる、モチベーションが上がる経験をたくさん提供してあげられるといいですよね。また、何より飼い主も楽しむこと!が重要です。
次回は、「歯ブラシに慣れるトレーニングとトリックの活用」について詳しく説明していきます。お楽しみに!
- Writer:おおくぼ あい
- Photographer:太田 理恵