犬はお餅を食べても大丈夫?もっと知りたい犬の食事をペットフーディストが解説
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犬はお餅を食べたら危険!
お餅は犬が食べると危険なので与えない方がいい食べ物です。お正月になると、お雑煮にお餅を入れたり、鏡餅を用意したりとお餅を食べるご家庭も多いことと思います。しかし、お餅は犬にとってあらゆる危険が伴います。この記事では、お餅は犬にとって避けるべき危険な食材である理由と、お餅の原料となるもち米についてご紹介します。
お餅を喉に詰める危険性
犬は咀嚼をするという習慣がありません。犬の唾液には消化酵素も乏しい上に、本能的にもできるだけ早く食事を済ませようと丸呑みする習性があります。お餅のような粘着性の高い食べ物を丸呑みすると喉に詰まって大変危険です。年末年始、人間でもお餅の事故があることを考えると何でも飲み込んでしまう犬には最も避けるべき食べ物と言えるでしょう。また、たとえ飲み込めたとしても、その後で消化の途中で腸の中で詰まってしまうと便通が止まる恐れもあります。したがって、大変危険ですので犬にお餅を与えることはやめておきましょう。
アレルギーの可能性も
お餅はもち米でできているので、まれに穀物アレルギーになってしまう犬もいます。もしも、うっかり食べた後で、体を痒がったり、下痢したり、嘔吐したりといった症状がみられた場合は、アレルギーも考え獣医師に相談してみてください。
とはいえ、お餅の成分表を見ると、もち米だけが原料で添加物や保存料なども含まれてなければ、お餅自体は犬が食べても問題はない食材です。
もち米と白米を比べてみると
白米の主成分である炭水化物に含まれるでんぷんには、アミロースとアミロペクチンという名の成分が配合されています。アミロースが多いと米がパラパラとした食感になります。そしてアミロペクチンはもちもちとした食感になってもち米に多く含まれるものです。
細かい配分では、白米はアミロースが15〜35パーセント、アミロペクチンが65〜85パーセント。ところが、もち米にはアミロースがほとんど含まれません。つまり、アミロペクチンを多く含みもちもちとした食感になっているのです。そして、このアミロペクチンがアレルギーを引き起こす原因になるのです。
さらに、米の精製度が高いほど消化吸収性に優れるため、犬の消化を考えてみても、もち米やお餅よりも白米をあげることをおすすめします。
脱酸素剤に注意
市販品のお餅は、個包装になっていて中に脱酸素剤が入っているものもあります。犬の手の届くところにお餅を置いてしまい、袋ごと誤飲してしまうことのないように気をつけてください。または、最近は特殊フィルムで酸素を吸収する個包装パックで脱酸素剤が入ってないお餅もあります。誤飲をあらかじめ防ぐ環境作りが大切ですが、万が一のことも考えて、脱酸素剤を含まないお餅を選ぶのもいいでしょう。
お餅の代わりに「はと麦ぜんざい」
家族でお雑煮やお汁粉を食べる際にどうしても愛犬も欲しがっていて何か代わりにあげられないかと考える方には、お餅の代わりに「はと麦ぜんざい」はいかがでしょうか。小豆とはと麦を柔らかくなるまで一緒に煮つめて、途中からさつまいもを入れて甘味を調節します。見た目はお汁粉のようで、白いはと麦がお餅のように見えて愛犬もお餅気分を味わえるでしょう。
さいごに
冬になると、日本ではほとんどのご家庭の食卓に出てくるお餅。お雑煮、お汁粉、あんこ餅とあらゆるレシピがありますね。いつも同じものを食べたがる愛犬に欲しいとせがまれると、あげようか迷うこともあるかもしれません。しかし、丸呑みしてしまうリスクを考えて、できるだけ他のメニューを用意したり、大好きな犬用おやつをあげたりして対応してみてください。
愛犬と安全で楽しく、素敵なお正月をお過ごしくださいね。
2022年もINUMAGでは、愛犬と飼い主が楽しく快適で長生きできる食生活を応援しています。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。