【特集】おいしく美しい手作りオーガニック犬用ごはん『MabbyS Dog Deli』
- インタビュー
おいしく美しい手作りオーガニックごはんを提供する『MabbyS Dog Deli(マビィズ・ドッグデリ)』は、2015年にオープンしまたたく間に人気店となりました。一見、犬用とは思えないその料理は、「どこの高級レストラン?」と聞きたくなってしまうほどの完成度。多くの常連が足しげく通う海辺の店舗では、犬用の料理教室も開催しています。「子どもにも食べさせられる」と、安心安全に絶対の自信を持つ『MabbyS Dog Deli』のデリやケーキ、今回はその人気の秘密に迫ります。
目次
『MabbyS Dog Deli』って?
こだわりの手作りデリ店としてオープンに至るまで
実店舗だけでなくオンラインショップでもその味を提供する『MabbyS Dog Deli』。こだわりのオーガニックデリ販売に至るまで、どんな物語があったのでしょうか。
オーナー・竹田さんがゼロから学んだ犬の食事づくり
大阪生まれの竹田正枝さんが、現在『MabbyS Dog Deli』がある神奈川県茅ヶ崎市へ移ったのは2006年のことでした。大学卒業後、陶磁器メーカーで店長職を務めたのち、自動車業界に転職。営業から商品企画までさまざまな業務を経験しました。
ペットや食とは無関係の世界にいた竹田さんが犬の食事に関心を向けるようになったのは、愛犬の病がきっかけでした。かねてから人間の食事については資格等を取得していた竹田さんも、犬の食に関する知識はほぼゼロ。そんなスタート地点から地道に勉強を重ね、ペット食育准指導士、ホリスティックケア・カウンセラー、野菜ソムリエなどの資格を次々に取得していきました。今では、フード販売だけでなく、愛犬の食事に悩む顧客たちの相談役としても大きな信頼を獲得しています。ペットの手作りごはんについて右も左も分からなかった竹田さんだからこそ、悩みを抱える飼い主の目線に立ち親身にアドバイスすることができるのです。
愛犬の病から辿り着いた手作り食
幼いころから実家で犬を飼ってきた竹田さんは、「犬を飼いたい!」と2009年に仕事を辞めることに。こうして結婚後初めて迎え入れることになったのが、『MabbyS Dog Deli』の看板娘、ボストンテリアのアビィ(Abby)ちゃんです。2021年現在12歳となったアビィちゃんの毛並みはツヤツヤで健康そのもの。しかし過去には、尿石症の一種、ストラバイト結晶という病を患っていました。
病院で勧められた療法食を試してみるも、添加物や保存料、フードの匂いのひどさが気になり、身体にやさしい食事を追求するようになった竹田さん。一度調べ始めると細かいことまで気になるようになり、「あれもダメ、これもダメ」と、いわゆる「フード難民」に陥ります。その末、手作り食という考え方に辿り着き、これによってアビィちゃんはすっかり健康体へ生まれ変わりました。この経験から、食事がどれほど大切なのか気がつくことができたと言います。
いち飼い主の願いから生まれた『MabbyS Dog Deli』
犬の食事について知識を蓄えていった竹田さんは、しだいに、「犬の食について、正しい知識や情報を人と共有できる場所があったらいいのに」という思いを強くしていきます。散歩の道中などで出会う飼い主たちとのやりとりの中で、多くの人が、犬の食に対する間違った認識を抱えていることに気が付いたからです。また同時期、彼女自身、犬のごはんを日々手作りする中で「たまにはお休みしたい」という思いを抱いたことから、「犬のごはんもお惣菜のように気軽にテイクアウトできたら」という考えが浮かびます。
こうしたアイディアを口にしたところ、「それなら自分でやってみたらいいじゃないか」と背中を押してくれたのは、竹田さんのご主人でした。こうした後押しもあり、飼い主たちが気軽に情報交換できるデリショップ『MabbyS Dog Deli』が誕生。開店当初はミートローフなどデリ系フードのみを販売していましたが、常連さんのリクエストから、徐々にケーキなどのデザートも店頭に並ぶようになりました。
経験に裏打ちされた伊藤シェフの調理技術
もともとは竹田さんが、ご主人の手を借りながら、週末のみの限定オープンという形で切り盛りしていたお店。しかし、オープンして1~2年経った2016年ごろ、人気の高まりとともに忙しさも増し、さらなる助けが必要になりました。そこで知人を介して出会ったのが、現在シェフを務める伊藤さんです。
伊藤さんは、名門調理師学校で講師を務めていたほか、フレンチやイタリアンの経験も豊富な実力派シェフ。そんな彼女にとっても犬のごはん作りは未知の分野でしたが、竹田さんに教わりながら本領を発揮し、現在では全面的に『MabbyS Dog Deli』の調理を担当しています。『MabbyS Dog Deli』のデリやケーキは、そんな経験に裏打ちされた実力から生まれています。
一度は愛犬と訪れたい、茅ケ崎の『MabbyS Dog Deli』
オンライン購入もできるものの、ショーケースの中に美しく並べられたフードを実際に見ながら選ぶのは格別の楽しさです。一度は訪れてみたい実店舗、そして犬好きのために建てられた『MabbyS Dog Deli』の占有マンションについて見ていきましょう。
海風が心地よく流れ込む、明るくフレンドリーな空間
『MabbyS Dog Deli』は、JR茅ケ崎駅からビーチへ続く道の途中、鉄砲通り沿いにあります。キッチンも併設されたオープンで明るい店内に入ると、ショーケースに並べられた色鮮やかなデリが訪れる人をフレンドリーに迎えてくれます。
竹田さんがこの地にお店をオープンしたのは2015年のことです。「お店を開こう」とテナントを探し始めたものの、なかなかしっくりくる場所が見つからず苦戦。「それならば建ててしまおう!」と土地を探したところ、導かれるように出会ったのがこの地なのだと言います。
「ペット可」ではなく「犬の飼育」が必須のマンション
「建てる」ことから始まった『MabbyS Dog Deli』。ウッドフェンスが印象的なビルの1階に店舗をかまえ、ビルの残りの部分は「犬を愛する人のために」と賃貸マンションとして貸し出すことになりました。
2014年、店舗開設より一年早くオープンした『MabbyS Residence東海岸』は、「犬の飼育可」ではなく、「犬を飼っていることが入居条件」という、犬好きによる犬好きのためのマンションです。その後、同ビル裏手に第2のマンション、『MabbyS Villa』もオープンしました。
いずれも、屋外温水シャワーや犬用ダストボックスが完備されるなど、犬とインテリアを愛する竹田さんご夫婦のこだわりがとことん詰まったドッグフレンドリーな物件です。海岸近くという土地柄もあり大人気で、なかなか空きが出ないのだとか。
『MabbyS Dog Deli』のこだわり
「何度でも愛犬に食べさせたい」と顧客の心を掴んで離さない『MabbyS Dog Deli』、その魅力はどんなところにあるのでしょう。
赤ちゃんも食べられるオーガニック食材
「人間も食べられる」ではなく「子どもも安心して食べられる」と謳うほど、食材には自信があります。実際、赤ちゃんの離乳食として購入するお客さんもいるのだとか。オーガニックや国産食材を中心に、食材は細心の注意を払い選定します。味見もスタッフみんなで行うのだそう。
思わず見とれてしまう美しさ
色彩豊かなショーケースやデリケートに盛り付けられたプレートを目にすると、思わず「きれい!」と声を上げてしまいます。作り手のていねいな思いや、私たち飼い主の幸福感は、愛犬たちにも自然と伝染するはずです。
見逃せない、季節のスペシャル商品
季節のイベントを盛り上げるのは、即完売となることも多い、豊かなアイディア商品です。特に人気を誇るのは、毎年事前予約の時点で完売してしまうというお正月のお節。そのほか、ハロウィンやクリスマス、バレンタインなど、季節ごとに販売されるカップケーキをはじめとするさまざまな特別商品も人気です。
家族みんなで食べられる『MabbyS Dog Deli』のおすすめフード
同じメニューでも、季節によって旬の食材を使用するため風味が異なるという『MabbyS Dog Deli』のメニュー。おすすめのデリやケーキをご紹介します。
肉類と季節の野菜、種類が豊富な看板商品「ミートローフ」
オープン当初から大人気のミートローフは、『MabbyS Dog Deli』の看板商品です。国産豚と豚レバーの食べ応え抜群のパテをはじめ、仔羊や牛、鶏とあわせ、オーガニック野菜をふんだんに使ったものなど、豊富な種類も人気の秘訣。
いくつもの食材が味に奥行を生む「クスクス」
世界最小のパスタ「クスクス」を、仔羊、数種類のオーガニック野菜、身体にやさしいスパイスなどでいただく一品。いくつもの食材が味に奥行きを生み、贅沢な味わいを作り出します。リピート率が高い商品です。
カレーやボルシチ、豚汁まで「カレー&スープ」
水分補給としても期待できる色鮮やかなスープ類は、グリーンカレーやココナッツカレー、ドライカレー、ボルシチに豚汁と驚きの品揃え。犬用とあり辛味はありませんが、素材のうまみが凝縮されています。ドライフードにかけてあげるのもおすすめです。
トーストして風味もアップ「わんパン」
顧客のリクエストから販売に至ったという「わんパン」。ドライトマト・バジル味や、犬用のカレーパンなど、人間も食欲そそられるフレイバーが多数そろいます。軽くトーストすると風味もアップし、さらにおいしくいただけます。
季節の限定品にも注目、大人気のカラフル「カップケーキ」
スポンジケーキにサツマイモクリームでデコレーションされた色とりどりのカップケーキ。贈り物としても喜ばれそうなおしゃれさに、並べられたケーキを見るだけでも心が踊ります。季節ごとに販売される限定シリーズは即完売という人気ぶり。
愛犬のためだけに特別なデザートを「デコレーションケーキ」
繊細かつ豪華な見た目に、思わずため息が漏れてしまいそうなデコレーションケーキは、誕生日やクリスマスのお祝いにもぴったり。犬用ケーキでは珍しい、オリジナルデザインの特注デコレーションケーキも受け付けています。ただしこちらは、相談から受け取りまで店頭販売のみなので要注意。「愛犬のためだけに特別なデザートを用意したい」そんな人はぜひチェックを。
さいごに
見た目の華々しさもさることながら、『MabbyS Dog Deli』が目指すのは、「特別な日の贅沢ではなく、日々のごはんを提供する」ことです。少し息抜きしたいとき、私たちがふと夕飯用にお惣菜を手にするように、ペットにもデリを持って帰る。『MabbyS Dog Deli』は、ペットフードにもそんな選択肢があってもいいということを教えてくれます。手軽なのに本格的、そして身体にもやさしい味を、ぜひ愛犬のもとへ届けてあげましょう。
- NAME
- MabbyS Dog Deli
- Writer:Mariko Dedap