【特集】おやつで好きを伝えたい。スペシャリティドッグトリーツ「WON」
- インタビュー
おやつを前にした愛犬の眼差しには、思わずキュンとしてしまう。そんな飼い主の方も多いのではないでしょうか。けれど、大切な家族である一員の犬に「どんなおやつを選べばいいの?」。そんなお悩みをお持ちの方にぜひ知ってほしい、無添加で愛犬も飼い主も安心、おやつの時間が最高の愛情表現になるスペシャリティドッグトリーツ「WON(ワン)」。今回は、そんなブランドのご紹介です。
「WON」が誕生したきっかけ
おやつの時間を特別なものに。
「最高のごほうび体験」。愛犬のおやつの時間をそんなふうに例える人がいます。「Antelope(アンテロープ)株式会社」 代表取締役の兒玉啓(こだまけい)さん。
犬のライフスタイルショップWander Pad(ワンダーパッド)を運営しながら、愛犬に安心して与えられるおやつのブランド、「WON」を営まれている兒玉さんは周りから「WONのヒト」と呼ばれているそう。
ブランド名の由来は飼い主から愛犬への愛情を意味するONE to ONEのワンと犬の鳴き声であるワンの意味を掛け合わせてできました。元コピーライターの兒玉さんは、独立する際「何か自分でやりたい」と思い立ち、子ども服のシェアサービスや、冷凍食品のスタートアップなどの経験をする中で「もっと自分にとって身近なものを」と輸入ドッググッズのオンラインショップをスタートさせます。その後、もっと犬と人の暮らしに寄り添うようなオリジナルのサービスを作りたいと「WON」を立ち上げました。
独立して感じた、お客様との距離
オリジナルで何かを作りたいと思ってはいたけれど、すぐにおやつに辿り着いたわけではありませんでした。ドッググッズのネットショップをスタートさせ、商品一つひとつ記事にするなど、温度感を伝えるべく工夫をし、お客様とコミニケーションを取りながら運営をしていましたが、なかなかひとつずつの悩みや質問すべてに答えられることができず、埋まらない距離感にジレンマを抱えていたといいます。
恩返しの気持ち
幼少期、いつもそばには犬がいました。両親の喧嘩が多く、三人兄弟であった兒玉さんたちは、いつもお母さんの味方についていたそう。ところが、犬はそんなとき、その場の空気を察してお父さんの方へ行ったのだとか。「今考えると、両親が離婚しなかったのは犬のおかげなのかも」と兒玉さんは笑います。ずっと側にいて晩酌に付き合ってくれたり、雨の日も雪の日も散歩に行ったコンビみたいな存在だった。そんな無償の愛をくれた犬たちに何か恩返しがしたい。そんな想いは後に「WON」の核となります。
「なんで人は食べられないの?」
やがて、ひとつのきっかけが訪れます。愛犬におやつをあげようとしたときのこと、お子さんが「それ、ちょうだい!」と駆け寄ってきました。「これ、ワンちゃん用だから」と返事をしましたが
お子さんは不思議そうにこう尋ねたのだそう。「なんで人は食べられないの?」
兒玉さんはその素朴な疑問に答えることができませんでした。「確かにどうして自分が食べられないものを犬にあげているんだろう?『犬は家族』なんていうけど、本当にその言葉のとおりに愛犬に接しているのだろうか?」
原材料がわからなかったり、着色料や添加物でいっぱいのおやつ。このお肉は一体どこのお肉だろう?気にしていたのに、罪悪感を感じながら目を瞑ってあげていた。このふとした実体験が、兒玉さんを動かしました。
「WON」が開発されるまでの道のり
「あげたくなるおやつ」をつくる
「“あげてもいい”おやつじゃなくて、“あげたくなる”おやつをつくる」という揺るがない強い決意を持ち続けるも、ペット業界も料理業界での経験がまったくなく、言わば素人だった兒玉さんが「WON」を立ち上げ人気商品を生み出すまで、数々の苦悩があったといいます。
試行錯誤を繰り返す開発での苦悩
「WON」の開発をはじめた当初は、馬のジャーキーを作ろうと自宅のオーブンなどで試行錯誤の日々。開発を進めていく中でどんどん突き詰めて行くと、「そもそも犬にはどんな食材が適しているのか?」、とふと疑問にぶつかったり、加熱時間や食材のカット仕方などでもガラリと変わるため、調理方法についても何度も壁にぶつかったそう。
開発を進める中で苦悩を繰り返している際に、ここからもうひとつ上の段階へ行くには、やはりプロの力が必要だと感じはじめます。そんなときに運命の出会いを果たした兒玉さん。兄の紹介で、犬のおやつ作りのスペシャリストでもあり、世田谷でトリミングサロンを経営する斉木裕介(さいきゆうすけ)さんに出会います。
情熱的で研究熱心な斉木さんは、兒玉さんの「WON」にかける熱い想いに共感し、レシピ作りを手伝ってくれることになったのです。「作るからには最高のものを」という熱意のもと、二人のタッグで最高のおやつ作りがスタートしました。
「ヒューマングレードのおやつはたくさんあるけど、それって人も食べれるよってことなんです。それより一歩向こうに行くために人が食べてもおいしいと思うおやつ作りにこだわりました。」
事実、「WON」のおやつは兒玉さんと斉木さんがたくさんのブランド肉や、有機野菜を取り寄せし、その中から自分たちがおいしいと思うものを愛犬の反応のもとに作っていきました。
開発では数々の苦悩を繰り返すも、いざ商品化し世に出ると気に入ってくれる方が増え少しずつ知名度もアップ。たくさんの愛犬家、わんちゃんたちから喜ばれている「WON」では、食材選びや調理方法だけではなく、他にも細部に至る仕掛けやこだわり、ブランドのコンセプトに繋がる想いなどがあります。
「WON」がもつ3つのこだわり
「WON」が大切にする「体験」
世の中に犬のおいしいおやつや無添加のおやつはたくさんあります。けれども「WON」が大切にしているのはおいしく食べられて、なおかつ「体験する」ということ。そのひとつが「ワンソナライズ診断」。愛犬についての6つの質問に答えるぴったりのおやつを見つけてくれるシステム。これにはユーザーの皆さまからも実際に「診断が当たっていた」「ぴったりのおやつが出てくるのでうれしい」などの声が。愛犬に合ったおやつを紹介してくれるワンソナライズ診断をすることで、おやつが届くまでのワクワクや、パッケージを開けるときのドキドキも強くなります。
”ワンバサダー”に助けられて
こだわって作る分、苦労も多くワンソナライズ診断を取り入れることによって最初から商品の種類をたくさん作らなければいけなかったことがなかなか大変だったと言います。しかし、開発段階からコミニケーションを、と”ワンバサダー”と呼ばれるわんちゃんたちを募集。開発の手助けをしてもらいました。
当初24種類あったおやつを、話を聞きながら16種類までしぼりました。「”ワンバサダー”の皆さんには感謝しています。」と兒玉さんはその当時を振り返ります。
「やっていることは全然合理的ではないんです。深く追及せずに大量生産をして、デザインも”っぽく”見せるだけの商品にすることだってできたけど、それに誰が熱狂してくれるんだろう?そう思って」その過程が合理的じゃなかったからこそ、商品に絶対的な自信が生まれたのだと教えてくれました。
「好き」をおやつで伝えよう
最後に、おやつに対するこんな想いをそっと教えてくれました。「おやつは飼い主のいわば、ラブレター。『長生きしてほしい』『喜んでほしい』という気持ちをおやつに乗せて届ける。愛犬のおやつにはそんな意味合いがあると思うんです」”「好き」をおやつで伝えよう”という「WON」のコンセプトはまさに、大事な家族のためのラブレターです。
「特別なごほうび」選りすぐりのラインナップ
人が食べても大丈夫。ではなく、人が食べてもおいしい。「WON」が作るおやつは保存料や添加物を使わないだけではなく、原材料の産地にまで気を配った本物の「特別なごほうび」です。カット方法や厚さにもこだわることで、より食べやすく香りが引き立つように独自の製法で手作りしています。その中から厳選した6品を紹介します。
低カロリー高タンパク伊豆半島のニホンジカを使った燻製ジャーキ
伊豆半島西岸のニホンジカの赤肉を使った燻製ジャーキー。低カロリーで高タンパク。火をしっかりと通しながらも、噛みやすい柔らかさを追求。太りやすい犬種や老犬などにも安心です。
西天城高原で育った通称”わさびダチョウ”のジャーキー
伊豆にある標高750mの西天城高原で、わさびの葉を食べて育ったダチョウを使った燻製ジャーキー。「赤身肉の女王」と呼ばれるダチョウ肉は、ヘルシーで栄養価も高くおいしいという愛犬にぴったりなおやつです。
出汁の旨味が味わえる天然マグロ100%のフィッシュジャーキー
天然マグロ100%のフィッシュジャーキー。マグロは高タンパクでありながら、あっさりした脂でとってもヘルシー。カリッと噛みごたえのあるおやつです。
長崎の芳寿豚のヒレだけを使った贅沢な一品
長崎県産のブランド豚「芳寿豚」のヒレだけを使った贅沢な一品。臭みが少なく、噛めば噛むほど味の出るジャーキー。それもそのはず「芳寿豚」は健康な豚の証明であるSPF豚の中でもトップクラスの品質。
クリーミーなイタリア産マスカルポーネを使ったチーズクッキー
なんともかわいいチーズクッキーには、イタリア産のマスカルポーネが使われています。マスカルポーネはチーズの中でも特に塩分が低く、犬にも安心。低脂肪のヤギミルクと北海道の小麦粉を混ぜ合わせ、カリッと食感の良いおやつに仕上げました。
太陽を浴びたオーガニックキウイのヘルシードライフルーツ
オーガニックキウイを使った、ヘルシーなドライフルーツ。丁寧にドライにすることで、果実そのものの栄養とおいしさが味わえる一品。
こだわりのパッケージ
ワンソナライズキットは愛犬の性格などからおやつを提案してくれるワンソナライズ診断を下に6種類のおやつを選べる特別感溢れるセット。箱を開ける時のワクワク感があるデザインも「WON」がこだわる「体験」のうちのひとつ。
さいごに
フードは「生きるため」に絶対に必要なものですが、おやつはそうではなく「生きていることを実感」するために必要なものかもしれません。愛犬とそんな素敵な時間を体験することで、絆がより深まっていくのではないでしょうか。飼い主と愛犬とのそんな素敵な時間や、飼い主が願う愛犬との理想的な暮らしを叶えられるよう、「WON」ではおやつを通してお手伝いができたら、と兒玉さんが最後に話してくれました。
今後、クリスマス用のおやつも準備中だという兒玉さん。ラブレターのようなおやつを作る「WON」からますます目が離せませんね。
- NAME
- WON
- WEB
- https://won.dog
- Writer:梨田 莉利子