犬は生姜を食べても大丈夫！もっと知りたい犬の食事をペットフーディストが解説

犬は生姜を食べても大丈夫？

生姜は、犬が食べても大丈夫な食材です。生姜はいつでも手に入るうえに、薬味としても健康食材としても重宝します。生姜には食べることで体を温めたり、殺菌力もあって魚の臭みを消したりとあらゆるうれしい効果があるので、冷蔵庫に常備している方も多いのではないでしょうか。犬のごはんレシピにも生姜を入れて、毎日の健康維持に活用してみませんか。今回は、生姜の栄養素と与える際の調理法や注意点について詳しく説明します。

生姜に含まれる栄養素

生姜は8〜9割が水分で、下記の栄養素も含んでいます。

タンパク質	筋肉の維持や成長期の骨や血、被毛を作る材料として役立ちます。
脂質	主にエネルギー源となります。犬にとってはタンパク質や糖質より消化しやすい栄養素です。
カリウム	細胞が正常に機能するようサポートします。エネルギー代謝にも働きます。
マグネシウム	神経伝達や心臓の健康維持に必要な栄養素です。
マンガン	代謝に関わる酵素の構成成分。神経機能や骨の発育に働きます。

なお、生姜特有の辛味成分にも栄養効果があります。

ジンゲロール	殺菌・抗菌作用と鎮痛・抗炎症効果があります。
ショウガオール	血行を促進し体を温める効果があります。
ジンゲロン	食欲増進、疲労回復の効果があります。

犬に生姜は1日にどのくらい食べられる？

生姜は特有の辛味成分があり刺激が強いので、最初はごく少量をごはんの一部に混ぜて愛犬が食べてくれるかを確認してみましょう。1日に与えられる量は愛犬の体の大きさによって変わります。

体重が5キログラム以下の小型犬は小さじ4分の1、体重10キログラム以下の中型犬には小さじ2分の1、体重15キログラム以上の大型犬には小さじ1杯ほどの量を目安に与えてみてください。

適量とはいえ、愛犬の体調や疲れ具合、ストレスによりなんらかの影響を及ぼす可能性はあります。与える日の愛犬の全体的な栄養バランスをみながら生姜を加えてみましょう。また、妊娠中や授乳中の愛犬には作用が強いので、量を控えめに、またはあらかじめかかっている獣医師に相談してからにしてください。

生姜の調理方法

生姜は加熱しても生のままでも与えられます。生姜の皮にはジンゲロールが含まれています。できるだけ皮はむかずに、よく洗ってすり下ろしたものか細かく刻んだものを使うと栄養素を効率よく取り込めます。生のままをすり下ろしてごはんに混ぜたり、スープに溶かして加熱したりしたものを与えましょう。

犬に生姜を与えるときの注意点

人間用に加工された紅生姜や生姜チューブ、お寿司に付いてくるガリなどは、生姜の素材そのものだけではなく塩分が多かったり、添加物が含まれたりしています。犬にとっては塩分の取りすぎや、人間の体の仕組みと異なるために消化に良くないこともあるので、生姜の加工品を与えるのは控えましょう。生姜そのものを、ごはんやスープに混ぜて楽しませてあげてください。

「ネギ中毒」とは無関係？

「ネギは中毒症状をもたらすから危険！生姜も与えてはいけないのでは？」という質問をよく聞きます。しかし、ネギが犬に危険な症状を起こす原因は「有機チオ硫酸化合物」や「硫化アリル」で、生姜には含まれていません。ネギ中毒と生姜を食すことは無関係です。また、生姜はネギ科ではなく、ショウガ科です。ネギの中毒症状には、長ネギ、玉ねぎ、ニラなどのネギ類を与えないように気をつければ大丈夫です。

アレルギーについて

生姜の栄養成分にはタンパク質も含まれます。タンパク質はアレルギー体質の犬にとって、アレルギー発症の原因となる可能性があります。初めて愛犬に生姜を与えるときは、1日で与えられる量よりも少なめに、様子を見ながら分けてあげるようにしましょう。もしも、下痢や嘔吐、体をかゆがるなどといった症状が出たら、すぐにかかりつけの動物病院に相談してください。

さいごに

生姜にはあらゆる栄養成分がありますが、抗酸化作用もあるので愛犬の老化防止にも期待できる食材です。生姜の刺激は愛犬の好みにもよりますが、食べられるなら少量でもごはんに加えられるといいですね。私たちにとってもあらゆる民間療法に用いられている生姜。寒い冬も暑い夏も、生姜パワーで元気にお散歩ができますように。

INUMAGでは愛犬の健やかな食生活について、飼い主に寄り添って応援していきます。