犬はさつまいもを食べても大丈夫!犬の食事をペットフーディストが解説
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犬はさつまいもを食べても大丈夫?
さつまいもは、犬が食べても大丈夫な食材です。とはいえ、甘味が強いので一度食べるとどんどん欲しがる犬が多く、飼い主は与え過ぎないように注意が必要になります。さつまいもは、犬には糖質が多い食材なので、おやつとして量を守ってあげるのがおすすめです。今回は、さつまいもをいつの時期から与えてよいのか、愛犬に与えられるさつまいもの量や栄養成分について詳しくお伝えしていきます。
さつまいもに含まれる栄養素
さつまいもの主成分は炭水化物であり、糖質と食物繊維で構成されています。さつまいもに含まれる栄養素は下記のとおりです。
食物繊維 | 腸のぜん動運動に働くほか、多様な生理作用があります。 |
カリウム | 身体の機能維持や調節に欠かすことのできない栄養素のひとつです。細胞内液の浸透圧の微調整や、心筋や筋肉の機能調節の働きがあります。 |
βカロテン | 抗酸化作用のあるビタミンのひとつで酸化から体を守ります。 |
ビタミンB1 | 酵素の働きを活性化させる補酵素であり、糖質の代謝、神経伝達の役割を果たします。 |
ビタミンB2 | 補酵素であり、脂質代謝に働き、皮膚や角膜の保護をします。 |
ビタミンC | 細胞外の活性酸素の消去に働くので抗酸化作用があります。人間は体内で作ることのできない栄養素ですが、犬は肝臓で体内合成が可能な栄養素です。 |
さつまいもはいつから食べられる?
さつまいもは食物繊維が多く含まれているため、消化機能が未熟な子犬に与えた場合、消化不良を起こしたり、下痢を引き起こしたりする可能性があります。また、甘味を強く感じる食材なので子犬の時期に味を覚え、ドッグフードよりもさつまいもを食べたがるようでは栄養バランスがとりにくくなってしまうため子犬期(生後1歳〜1歳半)以降から与えるといいでしょう。
さつまいもはアレルギーの出にくい食材ではありますが、初めて与える場合はどんな食材も慎重に少しずつ、様子を見ながら数日間かけてあげてください。
さつまいもは1日にどのくらい与えられる?
さつまいもはおやつとして与えるのに適している食材なので、1日に与える分量の10〜15パーセント以内に抑えるようにしましょう。犬の体重別に見ると、体重が5キログラムまでの小型犬はさつまいも30グラムまで、体重が15キログラムまでの中型犬で60グラム、体重30キログラムまでの大型犬では100グラムを目安にしてください。
ただし、肥満気味や糖尿病の傾向が見られる犬はかかりつけの獣医師に相談してからにしましょう。また、その日の犬の体調と先に与えたフードや他のおやつがあればその量も考慮しながら調整してください。
さつまいもの調理方法について
生では固くて喉に詰める危険もある上に、消化不良で下痢や嘔吐を引き起こす可能性があるため、必ず加熱してから与えてください。さつまいもが柔らかくなるまで、蒸すか茹でるのがおすすめです。さつまいもの皮も与えることはできますが、便通を促進することもありますので下痢をしやすい子には皮を避けるなどして調整してあげましょう。
さつまいもを与える前に注意するケース
さつまいもにはシュウ酸が多く含まれており、既にシュウ酸カルシウム結晶や結石があったり、尿路結石症になりやすい犬にはさつまいもを与えない方が良いでしょう。一方、水溶性のシュウ酸なので輪切りにして茹でることで含有量を減らすことは可能です。さつまいもが好きで与えていたといった場合には、かかりつけの獣医師に相談してからにしましょう。
また、カリウムも含まれているため、腎臓や心臓の機能が低下している犬はカリウムをうまく排泄できずに体内に蓄積してしまい病気を悪化させるリスクもありますので、かかりつけの獣医師に確認することをおすすめします。
さいごに
秋の味覚のひとつであるさつまいも。愛犬と季節を感じながら食生活を楽しむのは豊かな犬の人生を共有できることでしょう。スーパーで焼き芋を見つけて家族と一緒に食べながら、一口分を愛犬におやつとして分けてあげるのも楽しいですね。食欲不振だったワンちゃんがさつまいもだったら食べられたという話もあります。その日の愛犬の体調や天気、季節に応じて様子を見ながら食材を選んでみてください。INUMAGではこれからも、愛犬と飼い主がより良い食生活をともに楽しめるよう応援していきます。
- Writer:今崎 湘子
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。