課題の多いパピー期だからこそ“家族一丸”で乗り越える。アンディが繋ぐ家族の時間

課題の多いパピー期だからこそ“家族一丸”で乗り越える。アンディが繋ぐ家族の時間

  • インタビュー

愛犬とのかけがえのない毎日を切り取ってご紹介する、INUMAGの人気シリーズ「犬と暮らす」。今回ご登場いただくのは、数年ぶりにパピー犬のアンディ君(パピヨン・男の子)を迎え入れられた東京在住の富澤さんファミリーです。初代の愛犬のときはまだ幼かった子どもたちも成人し、家族みんなで世話をするという点では初めて犬を飼うような感覚に近いものがあったという富澤家のみなさん。生後3カ月のアンディ君を迎え入れてどのような日々を送っているのでしょうか。お母さまの奈月さん(54歳)と次女の有里加さん(25歳)にお話しを伺いました。

5年ぶりに犬を迎え入れるということ

過去に初代パピヨン犬・クッキー君の飼育経験がある富澤さんファミリー。愛犬クッキー君が亡くなった後の喪失感が強く、特に一番長い時間一緒にいた奈月さんは「もう、犬は飼わない」と心に決めていたのだそう。それから5年の歳月が経ち、一人暮らしをしていた次女の有里加さんが実家に戻って来ることをきっかけに、また「犬のいる暮らし」へと動き出した富澤家のみなさん。有里加さんの「もう一度犬を飼いたい」想いと、奈月さんの「子育てがひと段落して心の余裕ができた」という気持ちがちょうどよく重なり、家を出ている長女や父親も賛同。そして千葉県のとあるブリーダーさんへ家族4人で向かい、そこで対面したのがまだ片耳が垂れて幼い表情のアンディ君なのでした。

富澤家にやってきたばかりのアンディ君
まだ片耳が垂れていてかわいい

パピーならではのイタズラオンパレード!?

幼少期のパピー犬は、好奇心旺盛でヤンチャ盛り。とにかくクンクン匂いを嗅いで、何でも口に入れてしまいがちです。御多分に漏れず、もちろんアンディ君も何でも食べようとしてしまいます。ゴミもホコリも何でも構わずにパクパク。しばらく犬のいない暮らしをしていた富澤家にとって、床に物を落としてはいけない感覚が少し鈍っていたからそれはもう大変!あるときは不注意で安全ピンを落としてしまったのを見逃さなかったアンディ君が口に入れてしまって、ヒヤッとした場面もあったのだとか。また、かまってほしさで飼い主の気を引くために、ティッシュペーパーなどを口にすることも。でも今では、そんなときは抱っこしてあげると、満足して口からポロリと出すようにまでなったとか。ほかにも、アンディ君のために床に敷いたタイルカーペットの端を噛むことが、アンディ君の楽しい遊びになってしまってなかなか止めさせることができなかったそう。これには、市販の天然成分配合のイタズラ防止にも役立つというスプレーを利用。噴霧した部分を舐めると苦いので繰り返すことによってイタズラが減り、今ではまったく噛まなくなったそうです。

犬のため?自分のため?お互いストレスに負けそうに

イタズラ同様に、歯が痒くて“噛む”ことはパピー期のワンちゃんの特徴でもありますよね。でも時に、楽しく遊んでいて興奮して、その噛む力の入れ方が分からずに手を強く噛んでしまったら…。多少なりとも恐怖心が生まれてしまうのも無理はありません。アンディ君もトイや洋服を噛んで遊んでいた延長で、手を噛むようになってしまったのです。富澤ファミリーも噛まれたショックに加えて怖さを感じるようになり、アンディ君にもきっとそれが伝わったのかもしれません。「噛んじゃダメ!」を繰り返しているうちに、不安な気持ちからなのか唸るようになったり、自分の毛を舐めて手足を噛むようになってしまったのだそう。それを見て「ダメダメ言うばかりでストレスを与えているのかもしれない」と気付いた奈月さん。“噛むことはスキンシップのひとつで愛情表現”でもあるのだから、もっと違う手段でアンディ君に伝えたり、安心させる方法はないかな、と考え始めるようになります。

「ひとり」で頑張るのではなく「みんな」で取り組む

家族みんなで協力して育てることにしたとはいえ、在宅ワークで家にいる時間が長い奈月さんが必然的にアンディ君と過ごす時間も長くなります。どうしたらアンディ君の噛み癖をやめさせることができるのだろう…と、インターネットで検索してみたり、ドッグトレーナーの動画を片っ端から見て解決策を探しますが内容はまちまちで「これだ!」という方法が見つかりませんでした。情報が多いのはありがたい反面、良し悪しの判断の難しさも感じたといいます。一時はひとりで抱え込んでしまって、まるで育児ノイローゼのような状態になっていまったという奈月さん。そんなときに、アンディ君を育てたブリーダーさんに以前相談したときに「放っておくと良くなることもある」と言われたことを思い出します。「神経質になりすぎず、頑張りすぎなくていいんだ」と思えたことで気持ちも和らぎ、気負いが取れていったのだそう。それからは、インターネットで良いと思った内容は抜粋し、LINEで家族に共有するように。それまで、「ダメ!」「NO!」「メッ!」など一貫していなかったアンディ君への声掛けを「ダメ!」に統一したり、怒るときは名前を呼ばないなどルールを決めることで、それまで以上に家族みんなで愛犬のしつけに取り組む気持ちが強くなったと話してくれました。

犬も人と同じ!個性はそれぞれ

アンディは少食でヤセ型のスリムな体型。フィラリアの薬をもらいに通院した動物病院で「痩せすぎかな」と言われたこともあったのだそう。初代のクッキーはよく食べる子だったこともあり、何となく不安な気持ちになった奈月さん。フードが合わないのでは?と種類を何度も替えたり、固形のフードをふやかしてみたり…。それでもなかなか食べてくれないアンディ君を心配して、ブリーダーさんに問い合わせて生後与えていたメーカーを聞いたことも。徐々に食べるようになり、次に通院したときには健康面には問題もなく「元気で大丈夫!」と太鼓判をもらいます。「人間だって、大食いに人もいれば食の細い人もいるでしょ」と言われて不安が吹き飛びます。元気で健康なら良いんだ!と、またひとつ神経質になりすぎるのではなく、寛大な気持ちでいいんだ!と心が軽くなったのだそう。

会話の中心はいつもアンディ!

イタズラや噛み癖に悩んだり振り回されることも多いけれど、パピー期は今だけの貴重な時間。 「今日は〇〇したんだよ」「〇〇が出来るようになったんだよ」と成長の早さに驚いたり、喜んだり、日々の話題はアンディ君のこと。「アンディがいなかったときに、家族で何を話していたんだろう?って分からないくらいに話題はアンディのことばかりです(笑)」と有里加さん。「買い物に出ても、家でアンディが待ってると思うとトイレに寄る時間ももったいなくて…(笑)」と、少しでも早く家に帰ろうとしてしまうという奈月さん。一人暮らしをしている長女も、月1回帰ってくるかどうかの頻度が今では2週間に一度は顔を出すようになったのだとか。「父も仕事から帰ると毎日のように『あんちゃん、可愛い』って言ってます。どこからか、父がアンディと話してる声が聞こえることもしょっちゅうです(笑)」という微笑ましいエピソードも。家族が家にいる時間が増え、何気ない事でも報告し合って自然と笑顔が増えたといいます。

「お尻の毛の生え方が面白いことを見つけただけで、愛おしくて仕方ないんです!」。有里加さんは、そんなアンディ君の何気ない日々の記録をインスタに投稿しています。偶然しっぽの先の毛がハート型に見えた瞬間など、愛情いっぱいの写真は見る方をも笑顔にしてくれます。

そして、これからアンディ君との日常の中でますます必要となってくる学びやケアの情報収集にINUMAGも欠かさずチェックしてくれているというからうれしい限り!特に一緒に遊べるおもちゃなどのドッグトイなどのグッズや、犬と出かけられるお店の情報などを楽しみに読んでくれていると教えてくれました。

迎え入れることは責任を持つということ

アンディ君との日々は濃密であっという間に過ぎ去っているようですが、実はまだまだ3カ月(取材時)。数々のイタズラを克服しつつも、現在はトイレトレーニングに苦戦中の富澤家。初代のワンちゃんのときはまだ幼く、愛犬のしつけの経験のない有里加さん。「トイレを失敗したときの掃除など、今まで知らなかった犬を飼うことの大変さを大人になったからこそ感じています」。奈月さんも同様に「以前は子育てが忙しい中で、愛犬のしつけを少しおざなりにしていたところもあったのかもしれません。今回、好奇心旺盛なアンディを迎え入れていろいろ思い悩んだことで、あらためて可愛がるだけじゃなくてしつけやルールを根気よく教えるという覚悟が必要だと思いました」。「『こんなはずじゃなかった』『この犬が悪い子』なのではなくて、家族なんだから何があっても最後まで責任を持つことですよね」とも話してくれました。そして2人とも、苦労や大変なこと以上に、愛犬アンディが与えてくれる表わせないくらいの幸せについても熱く語ってくれました。

これからのワクワクが止まらない

3カ月経って散歩に行き始めたばかりのアンディ君ですが、人も犬も恐れずに近寄っていくんだそう。「人(犬)見知りしない性格みたいなので、ほかの犬と交流が持てたり一緒に遊べる幼稚園にも行かせてあげたい。おやつも6カ月からと思っているので、まだまだこれからたくさんおいしいものも食べさせてあげたいな」と有里加さん。「ドッグランなどで思い切り走らせていろいろ発散させてあげれるような機会もあげたいですし、ストレスなく元気に成長してもらいたいですね」と奈月さん。

「飼っている愛犬だから当たり前なんですけど、やっぱりウチの子は特別って思っちゃいます。ここまでめちゃくちゃ大好きって感情になるなんて思ってなかったです。手から伝わる体温や手触り、アンディの温かさや柔らかさがぜーんぶ愛おしいんです!」と、有里加さんはすっかり母性本能をくすぐられているようです。そして、いろんな場所に行ってたくさんの写真を撮ってあげたいんだとか。「残りのパピー期も大変なこともまだまだあるかもしれないけれど、大人4人で知恵を出し合い、家族一丸となって今しかない時間を楽しみたい」と話してくれました。

本当に仲の良い親子。アンディ君が繋ぐ強い絆も感じました。

さいごに

終始アンディ君を囲んで笑みを浮かべる奈月さんと有里加さん。アンディ君もカメラの前を走り回ったり、元気いっぱいにはしゃぐ姿にその場にいるみんなも笑顔になれました。
今回のインタビューを通じて、お2人は親と子というよりも、対等に大人という関係でアンディ君への責任をお互い担っているように感じました。ご家族のみなさん、仕事を持ちながら協力してパピー犬のしつけをするということは苦労も絶えないことだと思います。やんちゃなアンディ君に振り回されながらも、それらを笑顔で乗り越えて、しかも楽しんでしまうのが富澤さんファミリーの魅力なんでしょうね。奈月さんもご自身で工夫して情報を取捨選択されていましたが、情報社会の現代は便利な反面、何が必要で何が自分たちに合っているのかの分別が難しいことも多いですよね。


INUMAGでは、パピー犬に限らずさまざまな愛犬の課題の解決に繋がるトピックなども、今後取り上げていくつもりです。
そして「犬と暮らす」シリーズでは、引き続き犬と暮らすご家族のかかわりや、さまざまな犬と人とのライフストーリーをお届けしていきます。

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  • Writer:たかはし ゆか
  • Photographer:森 景子
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