犬の膵炎とは?愛犬に与える食事の注意点とコツまでご紹介!

犬の膵炎とは?愛犬に与える食事の注意点とコツまでご紹介!

  • フード/おやつ

みなさまは、膵炎という病気を聞いたことがありますか?
愛犬に高脂肪なものを与えると急性膵炎になるという注意を聞いたことがある方もいるかもしれません。本記事では、急性膵炎について詳しくご説明いたします。まだ膵炎になったことがない愛犬には注意をすることで未然に防ぎ、既に膵炎でごはんを食べられないといった悩みがある方はちょっとした工夫で食べてもらえるかもしれません。

膵炎とはどんな病気?原因と症状について

膵炎は大きく分けて以下の原因が重なって発症することが多いと考えられています。

考えられる原因

  • 肥満
  • 高タンパク、高脂肪な食事
  • 内分泌疾患
  • 腎臓病、肝臓病、心臓病
  • 薬剤

すべての犬がこれらの原因を明確に判断できるというわけではなく、遺伝的体質や原因不明な場合もあります。が、「高タンパクで高脂肪な食事」によって急性膵炎になるのを飼い主が知っていると、日頃から食事に気を付け、避けられるかもしれません。

では、膵炎はどのような症状が出るのでしょうか。

よくみられる症状

  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 元気がない
  • おなかを痛がる
  • 発熱

もしも犬が膵炎になると主に消化器症状が現れます。愛犬が嘔吐や下痢、食欲不振で元気がないときは、すぐにかかりつけの病院にみてもらいましょう。

急性膵炎と慢性膵炎

膵臓に炎症が起こる病気は、急性膵炎慢性膵炎に分けられます。急性膵炎はあらゆる原因で引き起こされますが、きちんと治らないままの状態や再発によって慢性膵炎になってしまうことがあります。

急性膵炎は悪化して死亡する可能性もあれば、治癒することも可能です。が、慢性膵炎になってしまうと、治癒せず一生付き合わなければならない病になってしまいます。担当の獣医師からの指示に従って食事の工夫にも取り組んでいきましょう。

膵炎におすすめの栄養素

膵炎は水を飲むことで嘔吐を誘発することもあります。そのような状態ではまず絶食絶水など医師の治療と経過観察が必要です。無事に口から食べられるようになったら、下記の栄養素を補ってあげましょう。

ビタミンB群代謝に重要な役割を果たす補酵素です。
カリウム体内の電解質のバランスを保つ働きがあります。

下痢や嘔吐を繰り返したことにより不足してしまった栄養素を補う働きがあります。

膵炎になった愛犬には消化にやさしい食事を

消化によく胃腸にやさしい食事を心がけることで、膵臓を含む消化管の負担も減らせます。消化管の仕事量が少なくなれば回復へと促すことにもつながります。

  • お水でふやかしたフード
  • お粥のようなペースト状態

このようにやわらかい状態が消化にやさしい食事です。ただし、膵炎の場合は与える際にもう一点、気を付けることがあります。

膵炎で食べられない愛犬へ給与するコツ

膵炎とは消化酵素が異常に分泌することで臓器も自己消化してしまい痛みを生じている病気です。したがって、”お湯”でふやかしたりごはんを温めたりして匂いで刺激するのはNGです。

一般的には、食欲がない愛犬に食事を温めて嗅覚を刺激し、食欲を増進する方法がありますが、膵炎の場合は強い匂いが消化酵素の分泌を促し、嘔吐を誘発するので避けなければなりません。ドライフードのまま与えるかお湯ではなく”お水”でふやかす、または”冷まして”与えるのが膵炎の愛犬にも食べてもらえるコツになります。

さらに少量ずつ複数回に分けて与えれば、一食ごとの消化活動の仕事量が減って、消化・吸収まで働きやすくなります。少量頻回にして様子を見ながら、必要なエネルギーが取れるよう回数と量を調整していきましょう。

膵炎の愛犬におすすめの食材は?

愛犬が膵炎になっている場合、以下の食材がおすすめです。ポイントは脂質が少ないもの。膵臓は脂肪を分解するのに働くため、低脂質なものを選びましょう。

タンパク質も生命維持に必要なので与えるべき栄養素ですが、できるだけタンパク質が少なめのフードやレシピにしてください。

  • じゃがいも 柔らかく加熱調理したものをペースト状態や潰して
  • ブロッコリー 茹でるかレンジ加熱したものを小さな房に分けて
  • にんじん すり下ろしや小さくカットして
  • 鶏ささみ ゆでたものを細かくさいて
  • 鶏むね肉 加熱調理したものを小さく切って
  • タラ レンジやグリルで加熱後、皮と骨は取り除いてほぐして
  • カレイ グリル加熱や煮付けたものから身だけをとって

基本は現在の食事よりも低脂肪食を心がけ、柔らかい状態に仕上げます。

膵炎の愛犬に与えてはいけない食材

膵炎は「高タンパクで高脂肪な食事」が原因になることがあります。具体的には以下の6つの食材は控えましょう。

  • ジャーキー
  • ソーセージ
  • ハム
  • 牛肉
  • ラム肉
  • チーズ

高脂肪な食材はもちろんのこと、糖質の多いものやグルテンを含むものも避けてください。

さいごに

膵炎についてご紹介しました。もしも発症してしまった場合には再発しないよう獣医師に完治までみてもらうことも大切です。愛犬に気になることがあるときは早めに動物病院に相談してみましょう。飼い主の抱く違和感が命を助けることにつながるかもしれません。みなさまの愛犬がより長く一緒にいられますように。

INUMAGではこれからも愛犬の健康を維持する情報を飼い主のみなさまへお届けします。

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ペットフーディスト 今崎湘子さん

今崎 湘子 | ペットフーディスト

2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。

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