犬の肝臓ケアにいい食べ物とは?【犬の体にいいおすすめ食材のシリーズ】
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愛犬の健康的な食生活に、気になるところへ効果を期待できる食材の紹介する”犬の体にいいおすすめの食材シリーズ”。
今回は肝臓ケアにいい食材。春はだんだんと気温が上昇し、犬の体温も上がるので、新陳代謝が活発になっていきます。そのような時期、東洋医学では肝臓ケアを助ける食材を積極的に取ることをおすすめしています。この記事では肝臓機能をサポートする栄養素や食材と薬膳の知識も併せてお届けします。
ぜひ、愛犬ごはんの献立作りの参考にしてみてください。
目次
犬の肝臓ケアにはどんな栄養素が効果的?
犬の肝臓ケアにいい栄養素は、以下のとおりです。
ビタミンB12 | 赤血球の産生に役立ちます。 |
ビタミンC | 解毒機能を助ける働きと抗酸化作用があります。 |
ビタミンB1 | 糖質の代謝を促進します。 |
ビタミンB2 | 脂肪の代謝を促進する働きがあります。 |
ビタミンE | 抗酸化作用があり、肝障害から肝臓を守ります。 |
タウリン | 肝機能を強化してくれます。 |
食物繊維 | 水溶性の食物繊維は腸内細菌を増やし、アンモニアを代謝します。 |
「タンパク質」も肝臓の再生に必要な栄養素ですが、肝臓の状態によっては適量摂取が求められる場合と、病気の進行具合によって代謝と解毒作用の負担になってしまうため摂取を制限される場合があります。すでに、肝臓に症状が出ている場合には、愛犬の主治医に相談するようにしましょう。
犬の肝臓にいい食材とは?
肝臓は犬の体にとって有害な物質を「解毒」、糖質や脂質、タンパク質などを「代謝」、エネルギーの「貯蔵」やビタミンの「合成」などさまざまな働きがあります。
そして、薬膳では食材を五性(熱・温・平・涼・寒)に分類し、体内に入ったときの効能を考えて献立を作ります。
今回は肝臓の働きをサポートする食材がどの性質に当たるかも併せてご紹介。分かりやすく、体を温める「温熱性」・体を冷やす「寒涼性」・どちらにも偏らない「平性」の3つに分類しました。
以下の食材に含まれる栄養素が働きをサポートしてくれます。
温熱性
- レバー(牛、豚、鶏)※1
- カブ
- タイ
- 煮干し
平性
- ニンジン
- サツマイモ
- キャベツ
- 鶏卵
- カキ
寒涼性
- 海苔
- トマト
- しじみ※
- あさり※
※1. レバー(特に牛レバー)や貝類は、銅を含みます。すでに症状があって、銅の摂取制限を受けている場合にはかかりつけの獣医師に相談してください。
食材の性質から、実際に与えるときの季節や気候、愛犬の体質に合わせてメニューを作ってみてください。
犬の肝臓にいい食材の調理方法
レバーは愛犬が食べやすい大きさに切って、炒めたり他の野菜や貝類と一緒に煮込んだりするのがおすすめです。
カブは葉の部分も与えられます。細かく刻んでゆでたりスープに入れたりして取り込めます。根の部分は、生のままでも与えられますが、すり下ろして消化しやすくしましょう。
タイは、骨を取り除き、加熱処理したものをあげましょう。お刺身用で売られているものは、犬にもそのまま与えられますが、寄生虫の心配もあるので加熱した方が安全です。塩焼きや煮付け、干物など人間用に味付けされたものは塩分過多になってしまうので気を付けてください。
煮干しは、小さくちぎって少量ずつ与えましょう。海水の塩が含まれるため、犬にとってナトリウムは必要ですが、塩分過多にならないよう量に注意。また、そのままでは固いのでちぎってお湯に入れてふやかしたものをおやつやトッピングにするのもおすすめです。
ニンジンは、すり下ろしやゆでたもの、煮込みスープに入れるなど加熱調理したものをあげましょう。
サツマイモは、蒸して皮をむいたものを小さく切ったり、つぶしたりしたものをあげましょう。
キャベツは、生のままでも与えられます。が、生のまま大量にあげるとキャベツの食物繊維が消化の負担になるので、できるだけ湯がいて細かく刻んだものにしましょう。
鶏卵は、生や半熟でも与えられますが、場合によってはサルモネラ菌によって胃腸に負担がかかる可能性もあります。ゆで卵やオムレツ、卵焼きなど加熱したものをあげましょう。
カキは、生のままではなく、加熱調理し、細く刻んだものを与えましょう。犬用のカキの燻製もおやつとしておすすめです。
海苔はそのままちぎって与えると犬の口の中で張り付いてしまうことがあります。スープにちぎって入れたり、犬用のチーズのおやつに海苔をまいてあげたりするといいでしょう。
トマトは、夏の季節で完熟したトマトであれば生でも大丈夫です。細かく切っておやつに水分補給として与えるのもOKです。冬は加熱調理をして与えましょう。
しじみは、水に入れて沸騰させ、アクとりして仕上げたしじみ汁がおすすめです。
あさりは、砂抜きをしてから加熱し、殻から身を取り出し、細かく切ってください。身だけをスープに戻したり、フードにトッピングとして添えたりできます。
どんな食材も、同じものを与え過ぎると毒となります。偏った食生活にならないよう、量とバランスには注意してください。また、初めて与える場合は、アレルギーにも気をつけて様子を見つつ、少量ずつあげてみてください。
肝臓ケアのサポートにおすすめの一品!「しじみ汁の冷凍保存」
しじみ汁の作り方は人間用と同じで、水の状態からしじみを入れて沸騰させ、アク抜きをしながら分量に合わせて5〜8分ほど煮ます。その後、冷ましたものを製氷皿やお子さんの離乳食用の小分けできる保存容器などで冷凍保存が可能です。1カ月ほど保存でき、そのまま使いたい分だけ手作りごはんにスープベースとして活用できるので便利です。
フードやおやつの与え過ぎに注意!ときには肝臓を休ませて
肝臓は代謝や解毒などあらゆる役割を持つので、フードやおやつの与えすぎにも気を付けてください。ときには肝臓を休ませることも効果的なケアです。1回の給与量を減らし、1日に複数回与えることも、食後の肝臓の負担を少なくできます。
さらに、ドッグフードやおやつの消費日数を見直し、酸化したものを与えないようにすることも大切です。
血流を良くすることも肝臓ケアのサポートに
肝臓にとっては、体内での血流を維持することもケアにつながります。体を冷やさないようにすることやマッサージをして温めてあげるのもいいでしょう。シニア犬の場合、朝晩が冷えやすい時期には腹巻きをして寝るなど内臓を温めることも効果的です。また毎日の散歩時間や距離などをはかり、運動不足にも気をつけてあげてください。
さいごに
犬の肝臓ケアのサポートにいい食材のご紹介でした。肝臓は代謝、解毒、貯蔵、合成と多くの役割を持つため、日頃からケアしていけるといいですね。ドッグフードやおやつは開封したら、酸化する前に消費できるよう個包装のものも販売されています。水分不足も肝臓に負担がかかるので、いつでも飲みやすい環境を作ったり、散歩から帰ったら必ず水を飲むように薦めたりすることも習慣になれば理想的です。
INUMAGでは、楽しく健康的な愛犬とのライフスタイルを応援しています。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。