犬がアボカドを食べたらダメ!犬の食事をペットフーディストが解説
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アボカドは犬に食べさせてはいけない食材です。私たちにとっては美容に効果があると評判で栄養価も高いアボカドですが、犬には与えられません。アボカドオイルの保湿成分を含む犬のシャンプーがあり、大丈夫と思われがちですが注意しましょう。この記事では、なぜ犬にアボカドを与えてはダメなのか、危険な成分や万一食べてしまうと引き起こされる症状についてお伝えします。
目次
アボカドに含まれる「ペルシン」
アボカドには「ペルシン」と呼ばれる成分が含まれ、犬の体には毒性の強い物質になります。「ペルシン」は未熟なアボカドの実だけでなく、皮や種に多く含まれている殺菌作用のある成分です。人間にとっては無害ですが、犬の体内に「ペルシン」が入ると次のような中毒を引き起こす可能性があります。
犬がアボカドを食べてしまったときに出る症状
もしも犬がアボカドを食べてしまうと以下の症状を訴える可能性があります。
- 食欲不振
- 下痢
- 嘔吐
犬がアボカドを食べてしまった場合、食べてから1〜3時間後に消化器や呼吸器に症状が出ることが多いようです。
ペルシンの中毒症状で下痢や嘔吐を繰り返し、脱水症状や栄養が取れない状況が続けば呼吸困難やけいれんを引き起こす可能性もあります。
愛犬の体調や個体差、アボカドの品種や成熟度によって変わるペルシンの含有量に応じて、症状が出現しないこともありますが、中毒症状が出る可能性のあるものは日頃から与えないようにしましょう。もしも誤って犬がアボカドを食べてしまった場合には、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。
高脂肪の高カロリーで急膵炎になる恐れも
アボカドは高脂肪で高カロリーな果物です。アボカドは100グラムあたりで178キロカロリーもあります。これは小型犬(不妊・去勢手術をしてない4kgの成犬)の1日に必要なカロリー342キロカロリーの半分を超えており、カロリーの高さが分かります。
このような高カロリーな食べ物を、犬が一度に過剰摂取すると、急性膵炎になってしまう恐れがあります。
アボカドを追熟させようと、台所に放置していませんか?犬を飼育しているご家庭では、アボカドの保管にも注意しましょう。
アボカドの種は丸くて危険
アボカドの種は丸くて大きいので、犬が誤飲をしてしまうことも危険です。犬に与えないつもりでも、アボカドの種を生ごみから食べられてしまったという事故のないよう注意してください。
丸い種をすっぽりと丸呑みしまうと、喉につまって窒息する可能性もあります。また、大型犬で無事に種が喉を通ったとしても、胃に長期間滞留して消化不良になったり、腸に詰まったりするリスクもあります。台所やゴミ箱に手が届く愛犬の飼い主のみなさまは、くれぐれも誤飲がないよう気を付けてあげてください。
アボカド加工品や外食にも注意して!
アボカドは、オイルやディップだけでなく、化粧品や飲料にも含まれていることがあります。くれぐれも犬の体内に入らないよう気を付けましょう。また、外食先で人間用のサラダのトッピングやハンバーガーに入ってることもあります。うっかり愛犬に取り分けてしまったということがないよう注意してあげてください。
もしも、少量なめたくらいで愛犬の体調に異変がないようならば良いですが、食欲の変化や胃腸症状が見られた場合には直ちに獣医師に相談してください。
どのくらいの量のアボカドを食べてしまうと危険?
アボカドをどのくらい食べてしまうと、中毒や膵炎になるリスクを引き起こすのかは、犬の年齢や体調、持病の有無によっても変わります。また、アボカドの産地や品種によっても、栄養成分に違いがありペルシン含有量も異なります。
危険な摂取量が明らかでないからこそ、愛犬には少量でも与えることを避けた方が安心です。
さいごに
犬に与えてはいけないアボカドについてご紹介しました。人にとっては美容や健康にうれしい食べ物でも、代謝や消化機能が異なる犬にとっては危険な食材がいくつもあります。愛犬が苦しい思いをするのは、飼い主の誰もがつらく避けたいこと。日頃から、犬に与えられない食材一覧を紙にまとめて冷蔵庫に貼っておくのもおすすめです。
これからもINUMAG読者のみなさまが、楽しくておいしい毎日を愛犬とともに送れるよう大切な情報をお届けします。
- Writer:今崎 湘子