子犬期のフードについてペットフーディストが解説!与え方と必要な栄養素とは
- フード/おやつ
愛犬のために健康的な食生活をと考え、栄養バランスのとれたドッグフードを選ぶ方も多いと思います。もちろん、ドッグフードはどんな犬にも対応できるようバランスを考えて作られています。
しかしながら、犬も人間と同じように、それぞれの年齢や体質、生活環境によって適した食事には違いがあります。そこで、ドッグフードに食材をトッピングしたり、ときどき手作りのごはんを用意したりすることは、その子のその日に合った栄養を積極的に取らせてあげるメリットがあります。
今回は、子犬を飼い始めたばかりの方やこれからパピーを迎える方へ、子犬にとって必要な栄養素とおすすめの食材についてご紹介します。
子犬の時期に特に必要な栄養素
体の成長が著しい時期。骨格を形成する栄養素を積極的に取れるといいでしょう。また、脳の発達もさかんな時期なのでDHAも必要なのが特徴的です。栄養素とその働きは以下のとおりです。
DHA | 母乳に含まれるDHAは健やかな脳の発達に働きます。 |
ミネラル | 特に、子犬の成長に大切な栄養素はミネラルです。ミネラルは代謝機能や骨などの形成に必要な無機化合物で、細胞を正常に働かせ、生命維持に不可欠。ミネラルの中でも最も必要な成分はカルシウムとリンです。 |
カルシウム | カルシウムは、骨に沈着して骨格の形成や筋肉の収縮をサポートします。大型犬の子犬期には特に取り入れたい成分。とはいえ、生後6カ月まではカルシウムの吸収を調節できないためカルシウム過剰摂取を起こす恐れもあります。1日分の摂取として1キログラムあたり0.5グラムの量を基準に与えるようにしましょう。 |
リン | リンは、カルシウムとともに骨や歯を丈夫にします。カルシウムとのバランスが大切で、どちらかが多いと低カルシウム血症や高リン血症が生じて骨の成長障害が見られる恐れもあります。 |
タンパク質 | 犬の体の20パーセントはタンパク質でできています。血・骨・筋肉・皮膚・被毛を作る際に大切な成分で、動物性と植物性の2種類あります。タンパク質が不足すると、慢性の下痢や寄生虫に感染しやすくなってしまいます。 |
ビタミン | 犬の体には14種類のビタミンが必要で、体の維持機能に大きく関わります。水分に溶ける水溶性ビタミンと脂肪に溶ける脂溶性ビタミンの2種類あります。 |
脂質 | 体細胞、神経、筋肉、体の組織を生成し機能をサポートする働きがあります。炎症を軽減させる機能もあります。 |
子犬期に必要な栄養が含まれる食材
それぞれの栄養を多く含む食材です。
タンパク質 | 肉・魚・卵・チーズ・ヨーグルト |
カルシウム | 小魚・海藻・乳製品・チーズ |
リン | 肉・魚・大豆 |
ビタミンB1 | 豚肉・まいたけ |
ビタミンB2 | 牛豚レバー・サケ |
ビタミンB3 | きのこ類・タラ・カツオ |
ビタミンB5 | レバー・鶏肉・納豆 |
ビタミンB6 | ニンニク・青魚・ごま |
ビタミンB12 | しじみ・あさり・のり |
子犬へのフードの与え方
生後6カ月までは1日3回に分けてあげましょう。犬の消化機能が未発達なことと、空腹な時間を作ってしまうと低血糖な状態になりやすいためです。そのままで食べないときはお湯でふやかして与えるのもおすすめです。食べやすくなる上に、匂いが立つので食欲がわきます。
1日3回に分けて、パピーが下痢や嘔吐をしていないか様子を見ながら量を加減して与えてください。生後6カ月を過ぎたら1歳にかけて1日2回に少しずつ慣らしていけるといいでしょう。ドッグフードの量は、パピーの体重を基にパッケージにある適量を守りながら与えてください。食材をトッピングするときは、基準となる量から追加する食材の分を減らして全体の量を調整します。
もしも食べてくれないときは
子犬の時期はほとんど寝ていたり、ごはんを食べる量も少なく完食できないこともよくあります。体重の変化や成長の観点から全量を食べてもらいたいときは、残ってるドッグフードやごはんを指先でちょんちょんっと動かして見せることをおすすめします。
犬の本能的な競争心を刺激して、食べたい意欲を駆り立てることができます。あと少しで完食するという際にやってみると、見事に食べてくれるテクニックのひとつです。ただし、犬によっては、食事を取られるのではという恐れからうなったり、威嚇したりすることもあるかもしれません。その場合は、好ましくない学習を避けるため控えるようにしてください。
牛乳は与えないで
パピーとはいえ、牛乳を与えることはやめましょう。牛乳には乳糖と呼ばれる成分が豊富に含まれているため、乳糖不耐症を引き起こす恐れがあります。
犬は牛乳にある乳糖を分解できません。牛乳は、下痢の原因となるため避けた方が良い食材です。
さいごに
子犬の時期に必要な栄養素とフードについてご紹介しました。体が成長する大切な時期なので、フードを与える際の参考にしてみてください。犬によって、体調や運動量、ストレス、天候などそれぞれに置かれた状況は違うものです。
体調不良や既に症状が出ている場合にはかかりつけの獣医師に相談してみてくださいね。
INUMAGでは、これからも愛犬と飼い主が健康で快適な生活となるよう心から応援しています。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。