生クリームはあまり与えないで!代用可能な食材も紹介|犬の食事をペットフーディストが解説
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生クリームは犬に与えない方がいい食材です!
生クリームはお誕生日ケーキやクリスマスケーキに使われることがありますが、犬にあえて与えない方がいい食材です。犬が食べてはいけないというほどでもありませんが、犬によっては体調の変化が見られることもあります。今回は動物性と植物性の生クリームについて、それぞれなぜ犬に与えない方が良いのか解説します。また、生クリームの代用についてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
動物性生クリームは脂肪分を多く含む
動物性の生クリームは牛乳が原料です。厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によると脂肪分18パーセント以上のものが生クリームと認められています。そして、”生クリーム”として認められているものは添加物が一切含まれていないことも特徴のひとつです。クリームにも様々な種類がありますが添加物が含まれていないクリームは原材料の表記の部分に「クリーム」とだけ書かれているものになります。
生クリームは牛乳から脂肪分の多い液体を取り出して作られたものです。本来、牛乳の脂肪分は3.7パーセントありますが、生クリームには35〜50パーセントの脂肪分が含まれています。高カロリーな脂肪分を与えることになるので肥満の原因にもなるでしょう。
さらに、生クリームを与えてはいけない理由に、乳糖不耐症や乳製品アレルギーを発症する恐れがあることも挙げられます。
乳糖不耐症を引き起こす可能性がある
牛乳や生クリームには乳糖が含まれています。乳糖は犬にとって分解されずに下記の症状が見られることがあります。
- 下痢
- 腹痛
- 腹部膨満
これらの症状が出た場合、乳糖不耐症の可能性があります。その際には、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。
乳製品アレルギーを発症することもある
牛乳に含まれるタンパク質の「カゼイン」という物質にアレルギー反応を持つ犬がいます。
アレルギー反応は主に下記の症状です。
- 嘔吐
- 下痢
- 皮膚発疹
生クリームを与えた後で、これらの症状が見られたら獣医師に相談することをおすすめします。
ちなみに、このアレルギー反応を引き起こす可能性のあるカゼインは正式名称で「βカゼインA1」といいます。ジャージー牛乳、ヤギミルク、羊乳などに含まれるタンパク質は「βカゼインA2」に分類され、こちらなら大丈夫ですので犬用ミルクとして使われているものもあります。
植物性生クリームの成分について
スーパーでは動物性生クリームと並んで植物性生クリームもよく見かけると思いますが、植物性生クリームは生クリームの代用品として作られたもの。パーム油、ヤシ油、なたね油、大豆油などを原材料に使用しています。植物性生クリームの場合は、植物性油脂と添加物も多いので犬の体に負担がかかります。ゆえに、植物性生クリームも犬に与えない方が良いでしょう。
生クリームの代用品としておすすめ3選!
生クリームの代用品でケーキをデコレーションするのもおすすめです。代用できる食材は以下の3点です。
1.ヨーグルト
ヨーグルトは牛乳から作られますが、乳酸菌で発酵されるので、乳糖不耐症の原因となる乳糖は3割から4割ほど分解されます。乳糖がかなり減らされ犬の母乳の値に近いほどなので、アレルギー症状は出にくいとされています。ただし、ヨーグルトは無糖のものを選ぶようにしてください。無糖のヨーグルトをコーヒーの紙フィルターやキッチンペーパーなどで数時間水切りすると生クリームのようになります。
2.じゃがいも
ケーキの飾り付けのような生クリームに見せるには、じゃがいもで代用も可能です。じゃがいもを柔らかくなるまで茹でて、温かいうちに皮を剥き、マッシュしたものを水や無添加のヤギミルクなどでのばしてペースト状態に。犬用ミルクを使う場合は、製品によっては添加物が含まれているものもあります。原材料を確認して選ぶといいでしょう。
3.豆腐
豆腐を水切りして、ミキサーやフードプロセッサーなどでペースト状にして生クリームのようにデコレーションします。絹豆腐だとなめらかな柔らかい感じに、木綿豆腐だともったりとした生クリーム風ペーストに仕上がります。とはいえ、大豆アレルギーが心配な犬には代用しないように気を付けてください。
さいごに
人間がケーキを食べるときに、犬がうっかり生クリームを食べてしまったというトラブルを耳にすることもあります。もし、食べてしまったときには犬の様子をよく見て、受診が必要か獣医師に問い合わせてみてください。シーズンの行事や誕生日などは生クリームを使ったケーキがよくあるので注意が必要ですね。犬の体調や行動をよく観察し、快適に暮らせるよう環境を整えてあげましょう。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。