犬はさくらんぼを食べても大丈夫!もっと知りたい犬の食事をペットフーディストが解説
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犬はさくらんぼを食べても大丈夫!
さくらんぼは犬が食べても大丈夫な食材です。赤い果実は私たちの食卓を彩るうえ、スイーツのアクセントとしても使える果実として重宝します。さくらんぼは犬にとっても大好きな甘い味覚を楽しめる果実です。とはいえ、果実は小さいうえに注意点もあるため、さくらんぼで栄養を取るというより、おやつとして少量を楽しむ食材に適しています。
今回はさくらんぼの栄養素や与える際に知っておくべき気を付ける点まで詳しくご紹介いたします。
さくらんぼに含まれる栄養素
さくらんぼは80パーセントが水分で、他には以下のような栄養素が含まれています。
カリウム | 血圧を下げる効果や体内の水分調整を行うのに働きます。 |
βカロテン | 犬の体内に取り込まれるとビタミンAに変換され、被毛や皮膚の健康を維持するのに役立ちます。 |
リン | 骨や歯を丈夫にします。 |
カルシウム | リンとともに骨格形成に働きます。筋肉の収縮や止血をサポートし、生命維持活動に必要な栄養素です。 |
マグネシウム | リンやカルシウムとともに骨を形成します。代謝を助ける働きもあります。 |
葉酸 | 細胞の生成促進や赤血球を作り出し、貧血を予防します。 |
ビタミンC | 抗酸化作用があり、骨や関節の組織形成や維持にも役立ちます。 |
アメリカンチェリーに含まれる糖アルコール
さくらんぼは国内産で代表的なものがありますが、アメリカンチェリーのような外国産も流通しています。国内産も外国産も栄養成分に大きな違いはありませんが、糖アルコールはアメリカンチェリーにのみ含まれるので注意が必要です。
糖アルコールの成分であるソルビトールは、犬によって個体差はあるものの摂取することで下痢を引き起こす可能性があります。少量ならば問題はありませんが、大量に与え過ぎないよう気を付けてください。また、糖分を控えている愛犬にも注意しましょう。
さくらんぼの種や茎はアミグダリンに注意!
さくらんぼは果実の部分だけ与えることができます。種や茎は食べないように分けてから与えてください。さくらんぼの種や茎には「アミグダリン」という物質が含まれ、犬の体内で消化をする際、シアン化水素(青酸)を生じます。青酸は、けいれんや嘔吐、下痢、呼吸困難などの中毒症状を引き起こす恐れがあるため、必ず果肉部分のみをあげるようにしましょう。
さくらんぼの花や葉っぱもNG
さくらんぼの樹木が散歩コースにある場合にも注意が必要です。さくらんぼの花や葉っぱが樹木から落ちて、数日間経過すると「クマリン」という成分が生成されています。クマリンは犬の肝臓に毒をもたらすため、誤って拾い食いをしないよう対策をしてあげてください。
さくらんぼは1日にどのくらい与えられる?
さくらんぼの果実は一粒がとても小さいので、一度で多くの栄養摂取を期待できる食材にはなりません。食べ過ぎによる下痢やさくらんぼそのものを喉に詰める窒息事故に注意を払いながら、少量を与えましょう。目安としては、体重5キログラムの犬で1日に2粒程度を楽しむのが良いでしょう。
子犬にも妊娠中の犬にも与えて大丈夫です。ただし、 初めて愛犬に食材を与えるときはアレルギーを発症しないか注意してください。
おやつは愛犬の1日の食事量を考えながら、10パーセント以内を目安に栄養バランスを気をつけて与えましょう。
アレルギーに注意して
さくらんぼを食べることで、まれにアレルギーを発症することもあります。特に初めて与える場合には、下痢や嘔吐などの症状や皮膚をかゆがるなどの体調変化が表れていないかを見ながら、少量ずつ数日間に分けてあげてみましょう。もしも気になる症状が見られたら、すぐにかかりつけの動物病院へ相談するようにしてください。
さくらんぼの加工品は大丈夫?
さくらんぼは人間が食べる缶詰やゼリーなどの加工品もあります。が、犬にとってさくらんぼの加工品は砂糖やシロップの量が多く、急激な糖の過剰摂取になってしまいます。愛犬には、生のさくらんぼ果実のみ与えるようにしてください。
さいごに
さくらんぼは赤い小さな実がかわいいので、愛犬にちょっとしたご褒美としてトッピングするのもいいですね。くれぐれも果実ごと食べてしまわぬよう、管理にも気を付けてあげてください。一緒に楽しむおやつタイムに果物を選ぶことは、犬にとっても人にとってもヘルシーでおすすめです。
INUMAGでは、読者のみなさまの愛犬が1日でも長く飼い主と楽しく一緒に過ごせるよう、おすすめな情報をこれからもお届けしていきます。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。