犬は大根を食べても大丈夫!犬の食事をペットフーディストが解説
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目次
犬は大根を食べても大丈夫!与え方の注意点とは?
大根は、犬が食べても大丈夫な食材です。大根は根の部分はもちろん、葉っぱからもそれぞれ栄養分を取ることができます。旬の時期は秋から冬にかけてですが、一年中スーパーで買えるので、いつでも愛犬の食事に取り入れられる食材です。
今回は、大根について含まれる栄養素と与え方の注意点などをご紹介していきます。
大根に含まれる栄養素
大根の葉っぱと根の部分、それぞれの栄養素は下記のとおりです。
葉っぱの部分
βカロテン | 犬の体内でビタミンAに変換されて皮膚や粘膜を助ける栄養素です。抗酸化作用もあります。 |
鉄 | ヘモグロビンの構成要素で体内での酸素運搬に作用します。 |
カルシウム | 骨格形成や筋肉の収縮を助けます。 |
ビタミンC | 抗酸化作用、解毒作用があります。骨や関節などの組織形成と維持に役立ちます。 |
根の部分
95パーセントは水分でできています。
カリウム | ナトリウムとともに血管の機能を正常に保つ働きがあります |
ジアスターゼ | でんぷんの消化を助ける酵素です。 |
大根は1日にどのくらい食べられる?
野菜は、1日で必要な摂取エネルギー量(カロリー)の10パーセントまでとされています。実際にごはんを手作りするときは、先にタンパク質源の肉や魚を決めてから、その量よりも少ない範囲内にします。
たとえば、根の部分を5mmの輪切りにして25gの太さの場合、体重10kgの犬では輪切り2枚半までが適量です。葉っぱの部分では、2.5本分(15g)までにしましょう。ただし、1日に犬が食べても大丈夫な量は体調によって変わります。おなかが緩くなってないか、元気があるかをよく観察して量を加減してください。
また、大根を与えるのが初めての場合には、下痢や消化不良になっていないか少しずつ様子を見ながらあげましょう。数日間かけて体調変化に気を付けながら与えてください。
大根の調理方法
根の部分は生のままでも加熱してからでもどちらも大丈夫です。ただ、生の大根をすりおろしてすぐに与えると辛味成分があるかもしれません。すりおろしてから1時間放置して辛味成分を揮発させてからあげるといいでしょう。
大型犬ならスティック状に、小型犬ならサイコロのように切って与えることもできます。水分補給のおやつとして選ぶのもいいでしょう。
また、小さく切ったものをやわらかく煮てごはんと一緒にあげるのもおすすめです。
ただし、葉っぱの部分は、生では与えないようにしてください。葉っぱにはカリウムの他に食物繊維も豊富に含まれるので、便が緩くなったり、消化不良を引き起こしたりする可能性があります。葉っぱは、必ず加熱してから与えましょう。
アレルギーについて
大根はアブラナ科に属する野菜としてアレルギーを発症させることがあります。野菜を与えるときは、アブラナ科、セリ科、ウリ科と属性が偏らないように違う種類の野菜をバランスよく与えることも大切です。
大根を与えてから下痢や嘔吐、目が充血したり、体をかゆがったりした症状が見られたら、かかりつけの動物病院へ相談するようにしてください。
大根を与える際の注意点 尿路疾患と甲状腺について
葉っぱの部分にはシュウ酸が含まれています。シュウ酸は、カルシウムと結合して体内のカルシウムバランスを取りますが、尿で排出される場合には尿路結石症の原因となります。
結石のできやすい犬には与えないでください。
尿路疾患の問題がない犬に与える場合は、シュウ酸を抜くために塩を少量入れた熱湯で茹でるといいでしょう。
また、アブラナ科の野菜に含まれるゴイトロゲンは、甲状腺腫誘発物質と言われており、ヨウ素の吸収を妨げる働きがあります。甲状腺機能が低下している犬に与えないようにしてください。
さいごに
大根の栄養素や与え方、注意点についてご紹介しました。大根はおやつにもごはんにもできるおすすめの野菜です。手作りごはんに取り入れて愛犬が喜んで食べる姿を楽しめるといいですね。
天候が毎日違うように、気温も湿度も運動量も、毎日変化します。愛犬の一番近くにいる飼い主がその日の犬の健康状態をよく観察しながら、ごはんの量や大根を与えるかどうかを決めるようにしてみてください。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。