犬はブリ(鰤)を食べても大丈夫!犬の食事をペットフーディストが解説
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犬はブリを食べても大丈夫?
ブリは犬が食べても大丈夫な食材です。秋から冬にかけて旬を迎える魚なので、寒い季節になると私たちの食卓でもよく見かける食材ではないでしょうか。冬に獲れる「寒ブリ」は脂のノリもよくやわらかくて特においしいと言われています。
本記事では、ブリに含まれる栄養素や犬に与える場合の注意点について詳しくお伝えします。
ブリに含まれる栄養素
ブリには、以下の栄養素が含まれます。
DHA | 脳の働きを活発にする働きがあり、認知症予防にも期待できる栄養素です。 |
EPA | 脂肪分やコレステロールを減らして血液をサラサラにします。 |
タンパク質 | 皮膚や被毛を形成する原材料としてだけでなく、エネルギー源にもなります。 |
カルシウム | 骨格形成や筋肉の収縮、ホルモンの分泌などに必要な栄養素です。 |
カリウム | 体内の塩分を排出し、ナトリウムとともに体内の水分バランスを調整する役割を担っています。 |
ビタミンD | カルシウムやリンの吸収を助けます。 |
ビタミンB1 | 炭水化物(糖質)のエネルギー代謝に作用し、食欲増進や成長促進にも働きます。 |
ビタミンB2 | 脂質を代謝するのに役立ち、細胞の再生や成長を助けます。 |
ブリは、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)がサンマの次に豊富な魚です。オメガ3脂肪酸は犬の免疫力を高めて、健康を維持していくのに必要な栄養素。さらに、犬自身の体内では生成できない栄養素でもあるので、バランス良く取り込みましょう。
おいしいブリの切り身を選ぶには、血合いの赤色が鮮やかで身の部分には透明感のあるものがおすすめです。
ブリは1日にどのくらい食べられる?
犬に与えられるブリの量は、体の大きさによって変わります。犬の体重が5キログラムまでの小型犬には30グラムまで、10キログラムの中型犬には50グラムまで、30キログラムの大型犬には90グラムぐらいを目安にしてください。
愛犬に与える量は、他の食材とのバランスやおやつの量なども見て調節しましょう。また、愛犬の体調や胃腸の状態、季節や気候によっても体に与える影響は変わります。体調の変化を見ながら、日によって量を変えることも心がけていきましょう。
もしもブリを食べてから愛犬に気になる症状が出た場合は、すぐにかかりつけの動物病院へ相談してください。
ブリを与えるときの注意点
ブリの骨は必ず、取り除いてあげるようにしましょう。ブリの皮は与えても大丈夫です。ブリの皮には関節を滑らかにするコラーゲンも含まれています。
また、血合いの部分はアレルギー様の症状となるヒスタミン食中毒を引き起こす可能性があります。犬に与える際には血合いは取り除いてあげてください。
さらに、冬のブリは脂肪分が多いので肥満気味の愛犬にはできるだけ脂身の少ない部分をあげ、分量にも気を付けてあげましょう。
生のブリ、アニサキスに注意!
生のブリは犬には与えられません。生のブリにはチアミターゼと呼ばれる成分も含まれており、犬の体内に入るとビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。
さらに、生の魚にはアニサキスという寄生虫がいることもあります。アニサキスは、生のまま食すことで胃腸に刺入し食中毒を引き起こします。愛犬に嘔吐や内臓疾患、激しい腹痛をもたらしてしまうため、刺身を犬に与えるのは避け、必ずブリを加熱してから与えるようにしてください。
おすすめのブリ調理方法
愛犬にはブリの脂身を減らしたいという場合には、グリルで焼いたり蒸したりして加熱しながら脂分を落としましょう。加熱調理後、身を細かくほぐして愛犬が丸呑みを防ぐのも大切なポイントです。
また、野菜と一緒にせいろやフライパンで蒸したブリを愛犬に取り分け、人間用にはポン酢などをかけてヘルシーにいただくのもおすすめの楽しみ方です。
味付けしたブリは犬にはNG!
人間用に味付けされたものや塩焼きのブリもありますが、犬に与えると塩分を取り過ぎてしまいます。犬には刺身用のブリをスープに入れたり、そのままグリルで焼いたりしたものを与えるようにしてください。
五感の中で最も発達しているのが嗅覚である犬には、食べる前の匂いを楽しんでもらって、うすい味付けで健康を維持してあげましょう。
さいごに
ブリについてご紹介しました。さまざまな調理方法がある魚なので、旬の時期にぜひ愛犬と一緒に楽しんでみてくださいね。ともに季節を味わい、旬の食材に感謝しながら楽しむ生活が、パートナーにとっても長生きの秘訣になるかもしれません。
INUMAG読者の皆さまが、どんな季節も愛犬と楽しくヘルシーな毎日を送れますように。
今崎 湘子 | ペットフーディスト
2021年2月ペットフーディストの資格を取得。幼少期より大の犬好きで、現在はペットフーディストとして犬の栄養管理のアドバイスやペットライターとして活躍中。「犬も人も共に楽しくずっと一緒に」をモットーに、元保護犬トイプードルを家族として迎え入れ、2人の娘と犬のやりとりに癒やされる毎日です。